最近、コールセンターにおいてメールやチャットでの応対を取り入れる企業が増えつつあります。そして、こうしたセンターは、従来の電話応対のみ行うコールセンターと対比する形で「コンタクトセンター」という名称で呼ばれることが多くなりました。
同様に、メールやチャットでの応対に必要な機能を搭載したシステムは「コンタクトセンターシステム」と呼ばれています。
ここでは、そんなコンタクトセンターシステムを提供する3社のサービスについて、次の3つの視点で解説していきます。
目次
1.コンタクトセンターシステムの比較時に重視すべき4つのポイント
2.コンタクトセンターシステム3社 サービスの特徴を比較
3.自社の運用状況に合わせたサービス選定を
「コールセンターの在宅化にあたり、メールやチャットでの応対も検討しておきたい」という方向けには、ホワイトペーパー「在宅型コールセンタースタートアップガイド」ご用意しております。ぜひこちらもご一読ください。
コンタクトセンターシステムの比較時に重視すべき4つのポイント
一口にコンタクトセンターシステムといっても、その特徴はサービスごとに多岐にわたります。そして、それぞれ搭載する機能も異なるため、コスト面だけで比較してしまうと「この機能が付いていない」「あのシステムと連携できなかった」というような事態が生じる可能性があります。
そこで、コンタクトセンターシステムの選定時には、次の4つのポイントを確認しておくようにしましょう。
・既存システムとの連携
・導入までにかかる日数
・最少アカウント数
・運用時のセキュリティ
これらは、クラウド型CTIを選定する際のポイントと共通点が多いです。こちらの記事(「クラウド型CTIの比較ポイントを徹底解説!も併せてご確認ください。
コンタクトセンターシステム3社 サービスの特徴を比較
ここからは、上記のポイントを踏まえ、次の3つのコンタクトセンターシステムを比較していきます。
・ビズリンククラウドCTI
・A社
・B社
ビズリンククラウドCTIの強みと苦手な点
既存システムとの連携やスマートフォン・タブレット対応など、顧客の要望に応じて柔軟なカスタマイズが可能なビズリンククラウドCTIは、オペレーターの在宅勤務やBCP対応を検討している企業におすすめです。
既存システムとの連携 | ・可能(専門家によるサポートあり) |
導入までにかかる日数 | ・標準1か月程度 |
最少アカウント数 | ・2席から導入可能 |
運用時のセキュリティ | ・サービス基盤は堅牢な国内のデータセンターで管理 ・IP電話やPCは閉域網接続が可能 |
〇ビズリンククラウドCTIの強み
・高機能のシステムを小規模から利用できる
・既存設備の流用も新規環境構築も可能
・SMS連携などカスタマイズの要望にも柔軟に対応
・携帯電話・スマートフォンでの利用が可能
〇ビズリンククラウドCTIの苦手な点
・他サービスと比較して導入には日数がかかる
〇解説
ビズリンククラウドCTIは、優先着信機能や待ち呼表示など、コンタクトセンターの業務を効率化する機能を豊富に持つ、利便性の高いシステムです。
また、サポート体制にも定評があり、導入時には豊富な経験と知識をもとに、安心安全な方法で既存システムとの連携を支援してくれます。
一方、導入までには標準で1ヶ月程度かかるなど、他2社のサービスと比較して導入スピードの面では劣ります。ただし、既存のシステムを把握した上で最適な提案を受けられるという点では、むしろメリットであると捉えることもできるでしょう。
A社の強みと苦手な点
導入実績豊富なコンタクトセンターシステムを、低コストでスピーディに導入したいと考えている企業にマッチしたサービスがA社です。
既存システムとの連携 | ・可能(一部機能に制限あり) |
導入までにかかる日数 | ・最短5日(契約内容により前後する) |
最少アカウント数 | ・1席から導入可能 |
運用時のセキュリティ | ・金融機関でも利用可能な高セキュリティ |
〇A社の強み
・4年連続シェアNo.1の知名度(導入企業数・稼働席数)
・最小1席から低コストで導入可能
・金融機関でも利用できる高レベルなセキュリティ
・数多くのシステムとの連携実績あり
〇A社の苦手な点
・連携可能システムでも一部の機能が利用できない場合がある
・単独での利用では業務効率向上が難しい
〇解説
A社は、導入企業数と稼働席数でいずれも業界最多の実力派コンタクトセンターシステムです。
クラウド型のシステムを導入するにあたり、セキュリティ面に不安を持つ方は少なくありません。その点、A社はファイアウォール・ディスク暗号化・ウイルスチェック等の万全な対策により、高いセキュリティ基準が求められる金融機関や製薬会社でも採用されるケースが少なくありません。
ただし、CRM(顧客管理システム)など既存のシステムとの連携を検討している場合、一部の機能に制限が生じる可能性があるため、新規導入する際にはベンダー側に現状のシステム設計を伝えた上で、連携に問題がないか確認するようにしましょう。
B社の強みと苦手な点
電話営業をメインとしてコンタクトセンターを設置している場合には、セルフコーチングによってオペレーター教育時間の削減が期待できるB社がおすすめです。
既存システムとの連携 | ・可能(一部のみ) |
導入までにかかる日数 | ・最短翌営業日 |
最少アカウント数 | ・1席から導入可能 |
運用時のセキュリティ | ・接続可能なIPアドレスを制限 |
〇B社の強み
・すべての通話を自動で文字起こし可能
・AIによる会話内容の評価で対応品質を向上
・リモートワークにも対応
・10席以上の新規申し込みで事務手数料が無料
〇B社の苦手な点
・スマートフォンでの利用には専用アプリが必要
・連携可能なCRMシステムが2種類のみ
〇解説
B社の特徴として、AIを搭載していることが挙げられます。AIが会話内容を解析して複数の観点から定量的に評価し、改善点を見つけてくれるため、オペレーターの教育時間の削減や、営業電話のアポ率向上による売上アップが期待できます。
また、リモートワークにも対応しており、PCとヘッドセット、インターネット環境さえ用意すれば、気軽にコンタクトセンターを在宅化することが可能です。
なお、B社は1席単位から手軽に始められますが、10席未満の場合は事務手数料が別途発生します。また、公式サイトによれば2020年11月現在、連携可能なシステムがCRM(顧客管理システム)2種類となっているため、その他のシステムと連携して活用したいと考えている場合には注意が必要です。
自社の運用状況に合わせたサービス選定を
このように、今回紹介した3社のサービスだけでも、その特徴は大きく異なります。そのため、選定時には「コンタクトセンターシステム運営にあたって、最も重視している点はどこか」といった自社への導入要件を明確にすることが大切です。
一方で、システム設計に関する十分な知識がない場合、要件定義が曖昧なままシステム導入が進んでしまい、導入後に問題が生じるといったケースも少なくありません。
そこでNTTビズリンクでは、コールセンターの課題解決を全体設計から構築・運用まで一元的にサポートする「コンタクトセンターソリューション」をご提供しております。
さまざまなサービスを組み合わせつつ、企業ごとに最適な提案をさせていただきますので、ご興味のある方は下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ
この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「コンタクトセンターソリューションサービス」をご提供しております。
所在地:〒112-0002
東京都文京区小石川1丁目4番1号 住友不動産後楽園ビル
会社概要:https://www.nttbiz.com/company/outline/