基幹システムや人事・労務管理システムなど、様々なICTツールのクラウド化が進むなか、コールセンターに欠かせないCTIにもクラウド型を導入しようとする企業が少なくありません。
一方、クラウド型CTIと一口に言っても、提供会社やプランによって、導入可能なコールセンターの規模やセキュリティレベル、既存システムとの連携の可否などが異なるため、注意が必要です。
そこでこの記事では、次に挙げる項目について詳しく解説していきます。
クラウド型CTI選定時の比較ポイントと注意点
まずは自社コールセンターの現状を把握することが重要
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クラウド型CTIの比較ポイントと注意点
クラウド型CTIを選定する際には、主に次の4つのポイントについて確認しておくことが重要です。
・既存システムとの連携の可否
・導入完了までにかかる日数
・導入できるコールセンターの規模
・運用時のセキュリティ
ここでは、それぞれのポイントについて細かく解説しいきます。
既存システムとの連携の可否
CTIは電話機とPCを接続することで、様々なシステムを連携させて活用されています。具体的には、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)などを連携して、業務効率化を図っている企業が少なくありません。
一方で、新たにクラウド型CTIに置き換える場合、それら既存のシステムとうまく連携できないケースもあるため、注意が必要です。そのため、事前に既存システムとの連携の可否を確認するようにしましょう。
また、システム的には連携可能であっても、実際に運用開始してみると細かい点で運用上の改善点が出たり、一部機能がイメージ通りでなかったりといったケースが生じることもあります。こうしたケースを避けるために、既存のシステムと組み合わせて相談できる、利用イメージをデモやトライアルで確認させてもらえるか、ベンダに確認しておくことをおすすめします。
導入完了までにかかる日数
クラウド型CTIのメリットとして、オンプレミス型CTIのように自社内にサーバー機器を設置したりする必要がないため、スピーディに導入できるという点を挙げることができます。
実際、クラウド型CTIのなかには一週間以内で導入可能としているサービスも少なくありません。ただし、そうした導入期間は「最短日数」であることに注意が必要です。コールセンターの規模や、繁忙期等のタイミングによっては、想定していた以上に時間がかかることもあります。
また、システムの導入にかかる時間が短い場合でも、オペレーターがすぐに新しいクラウド型CTIを習熟できるとは限りません。そのため、実際にクラウド型CTIを導入する際には、研修期間等も考慮して、余裕のあるスケジュール設定をしておくことが欠かせません。
導入できるコールセンターの規模
クラウド型CTIの中には、そのサービスに最適なコールセンター規模が明確にターゲッティングされたものも少なくありません。たとえばコールセンターの席数を基準としたクラウド型CTIを分類すると、次のように4タイプに分けることができます。
・1席から対応可能な小規模向けのタイプ
・5席ずつ・10席ずつなどパッケージ売りされているタイプ
・数百席以上をメインとする中規模から大規模向けのタイプ
・数席から数百席以上まで対応可能なタイプ
キャンペーン、イベントといった一次的なお問い合わせ窓口など、小規模で十分な場合は、1席から対応できるものや数席分がパッケージ売りされているサービスで十分でしょう。
時間帯や繁忙期・閑散期によって稼働ブース数を大幅に増加する可能性がある場合には、中規模から大規模向けのものや、数席から数百席まで対応可能なものがおすすめです。
なお、パッケージ売りであっても料金自体は1席単位で生じるサービスもあります。そのため、導入できる規模でビジネス型CTIを比較する際には、料金システムもあわせて確認しましょう。
運用時のセキュリティ
顧客の個人情報を取り扱うことが多いコールセンター業務において、セキュリティ面への配慮は欠かせません。
一方、セキュリティと一口に言っても、内部関係者による不注意から外部からの侵入による情報漏洩など、想定されるトラブルは様々です。そこで、クラウド型CTIの選定時には、最低限、次のような機能を満たしているか確認しておくことが重要です。
・従業員による不適切な利用を防ぐためのアクセス制限機能
・外部からの侵入を防ぐための保護機能
・不要となった情報を適切なタイミングで削除する機能
最近ではクラウド型CTIを活用して在宅型コールセンターの構築を検討する企業も増えつつあります。こうした場合には、セキュリティに関する機能はもちろん、オペレーターの運用についても注意する必要があります。
そのため、ベンダを通じて在宅型コールセンターにおけるサービスの導入事例やセキュリティについての注意点等を確認しておきましょう。
まずは自社コールセンターの現状を把握することが重要
クラウド型CTIを選定する際には、上に挙げた4つのポイントを押さえることで、スムーズな導入につなげることができるでしょう。
一方、既存システムとの連携も考慮してクラウド型CTIを選定することを踏まえると、まずは自社のコールセンターにて、どのようなシステムが使われているのか、どのような業務が行われているのかを把握することが欠かせません。
一方で、長期にわたってコールセンターを運用してきた企業では、コールセンターシステムが複雑化・ブラックボックス化、利用システムのレガシー化が進んでしまっているケースも少なくありません。
こうした場合、新たにクラウド型CTIを導入する場合には、効果的な運用に向けてステップ導入するなど現実に即した検討をする必要があります。
そこでNTTビズリンクでは、コールセンターの課題解決を全体設計から構築・運用まで一元的にサポートする「コンタクトセンターソリューション」をご提供しております。
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この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「コンタクトセンターソリューションサービス」をご提供しております。
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