ICT技術の発展により、多種多様な業種・職種においてテレワークが導入されるようになりました。そして設備やセキュリティへの懸念から、従来は難しいとされてきたコールセンター業務のテレワーク化も、今日では在宅化できるようになっています。
そこで本記事では、在宅型コールセンターを検討している企業の方向けに、次の3つのテーマについて解説していきます。
コールセンターを在宅化するメリット
在宅でコールセンターを実現している事例
現状を考慮して無駄のない在宅型コールセンター構築を
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コールセンターを在宅化するメリット
近年はさまざまな要因によってテレワーク化を進める企業が増えてきました。特に地震や台風など災害の多い日本において、テレワークは主に事業継続計画の一環として注目を集めています。
テレワークとは所属する部署のオフィス以外で働くことを指し、近年ではICT技術を利用した「時間・場所にとらわれない柔軟な働き方」という意味合いで使われることがほとんどです。
テレワークは業務をおこなう場所によって、在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の3タイプに分けられます。
(出典:厚生労働省「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」)
・在宅勤務…従業員それぞれが自宅で勤務する
・モバイルワーク…移動中の電車内や喫茶店などで業務をおこなう
・サテライトオフィス勤務…支社など所属する部署のオフィス以外で働く
従来は専用のオフィスを設ける出社型が基本だったコールセンターも、オペレーターを「在宅勤務」とすることでテレワーク化を進める企業が少なくありません。
多くの顧客の個人情報を取り扱うコールセンターには高いセキュリティを求められる一方で、ICT技術を活用することでその課題をクリアできるようになっているためです。
そして、コールセンターを在宅にすることで、企業は次に挙げるようなメリットを得ることができます。
オフィス賃料や通勤手当を削減できる
出社型コールセンターの場合、当然ながらセンターを設置するスペースを確保する必要があります。自社の敷地内に設置可能な場合であれば直接的なコスト負担はないものの、そうでない場合には毎月賃料を支払う必要があります。
また、オペレーターが出社することによる通勤手当(交通費)についても考慮しなければなりません。通勤手当はあくまでも福利厚生の一環であり、法的な支払い義務はないものの、人手不足が深刻化する中では、オペレーターが働きやすい環境を整えなければ採用活動に支障が出てしまいます。
そして、オフィス賃料や通勤手当としてかかる費用は、コールセンターの規模が大きくなるに比例して膨らんでいきます。
一方、在宅型コールセンターを導入して、オペレーターの在宅勤務を基本とすることで、オフィススペースにかかる賃料や通勤手当を企業が負担する必要はなくなります。結果として、コールセンターの規模が大きいほど、より高いコスト削減効果が生まれます。
柔軟な働き方への対応ができる
前述したように、人手不足が深刻化する中で、コールセンターにおいても人材を採用することは難しくなっています。こうした状況で安定した雇用を実現するためには、離職率の低下や採用業務の効率化といった取り組みが欠かせません。
一方、コールセンターを在宅化して柔軟な働き方に対応することで、これらの課題の解消につなげることができます。
たとえば、子育てや介護といった事情により従来の出社型コールセンターでは退職を検討せざるを得なかったオペレーターも、在宅型コールセンターの導入で通勤の負担を軽減したり、業務時間を調整したりすることで、継続して働いてもらうことができるようになります。結果として、離職率の低下にもつながるでしょう。
また求人の際にも、そうした在宅型コールセンターで働くことのメリットを打ち出すことで、出社型コールセンターを導入する他社との差別化することが可能です。より多くの募集を集めることで、採用業務の効率化にも貢献します。
外部要因に負けずに事業を継続しやすい
在宅型コールセンターの導入は、企業の事業継続対策としても有効です。
たとえば、在宅型コールセンターを導入して、オペレーターを全国に分散して配置した場合、次のようなトラブルや災害が発生した際にも、業務を継続できる可能性があります。
・台風でセンターへ出勤できないとき
・地震などでセンター周辺の交通網がパンクしたとき
・他県のセンターが何らかのトラブルで稼働できないとき
近年、大型台風やゲリラ豪雨など、日本において自然災害が企業に及ぼす影響はますます高まっています。こうした中でも安定的に業務を行うための手段のひとつとして、在宅型コールセンターを導入する企業が少なくありません。
在宅でコールセンターを運営している事例
ここでは、すでにサポートコールセンターの在宅化を進めているA社におけるユースケースをご紹介します。
A社では、働き方改革対応の一環として、「育児や介護をおこなっている方の在宅勤務などさまざまな働き方に対応できる仕組みを取り入れ、熟練オペレーターや優秀な人材を確保したい」という狙いから、在宅型コールセンターの導入を検討していました。
一方、従来の出社型コールセンターに慣れたオペレーターも多かったことから、機能や応対面で、在宅型コールセンターでも同様のことが実現できるかが不透明といった課題を抱えていました。
そこでA社は、回線やデータセンターはもちろん、既存設備やシステムとの連携まで、無駄のない設計で、安全・確実な導入をサポートするNTTビズリンクの「コンタクトセンター」ソリューションを導入。
在宅オペレーターが自宅のインターネット回線を利用して簡単にCTIにアクセスができる仕組みを構築し、「熟練オペレーターのスキル活用」「社員の満足度向上」といった成果を上げています。
(A社の在宅型コールセンター導入イメージ)
現状を考慮して無駄のない在宅型コールセンター構築を
上記のようなメリットがある一方で、既に運用している顧客管理システムにCTIを連携させたいと考えている場合には、注意が必要な点もあります。
在宅型コールセンターの導入にあたり、システムの刷新や設備の変更を検討する場合には、十分な注意が必要です。
適切なソリューションを選定しなかった場合に、システム連携の不備や、オペレーターの習熟不足による機器の操作ミスなどにつながるおそれがあるためです。
そのため、前述したA社のケースにもあったように、出社型コールセンターを在宅化するためには、今ある設備や環境を無駄なく活かした環境構築が重要です。
NTTビズリンクでは、お客様のコンタクトセンターの現状を考慮した上で、抱えている課題に最適なご提案をさせていただきます。ご興味のある方は下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。
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この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「コンタクトセンターソリューションサービス」をご提供しております。
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