
新型コロナウイルス感染の防止や働き方改革の推進によって、リモートワークを実施している企業は少なくないでしょう。その影響で、店舗や顧客先などで顧客と接する機会が減り、Webサイトを始めとするオンラインでのやりとりが増えつつあります。
近年では、その代表的なツールとしてチャットボットが注目され、多様な業種の企業が導入・活用しています。
一方で、導入するのに時間や費用がかかってしまうことや、どんなメリット・デメリットがあるかわからないことで、その導入に慎重になっている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、チャットボットを導入することで考えられるメリットとデメリットを解説していきます。
目次
1.チャットボットを導入するメリットとは
2.チャットボット導入で考えられるデメリット
3.自社の顧客にマッチするかを考えた上でチャットボットの導入を
1.チャットボットを導入するメリットとは

顧客が回答を得るまでの時間を短くできる
24時間365日稼働できるところがチャットボットの大きなメリットの1つです。
電話対応の場合、なかなか繋がらず、顧客が何度もかけ直さなくてはならないといったことがしばしば起こります。また、営業時間外の対応ができないことで、問題解決に時間がかかり、それが顧客の満足度に影響してしまいます。
一方で、チャットボットではいつでもお問い合わせすることができ、すぐに返答も来るため、顧客はスムーズに知りたい情報を得て、問題を解決することができます。そのため、顧客がストレスを感じにくく、満足度の低下防止・向上が期待できます。
顧客との接点が増え、機会損失を防げる
前述した通りチャットボットは24時間対応が可能なため、顧客との接点が増え、機会損失を防ぐ効果も期待できます。
チャットボットという新たな接点からの購入・申し込みはもちろん、営業時間外でも顧客からのお問い合わせに即時対応できるため、購買意欲の低下や喪失を防ぐことができます。それによって、売上や顧客満足度の向上につなげることができます。そのほかにも、自社サイトを訪れた顧客に対して商品をすすめるなどの接客対応ができ、企業側からのアプローチが可能なところもメリットです。
また、チャットボットはやりとりがログとして記録されるため、電話と比べて情報収集が効率的に行えるという特長もあります。利用者のニーズをいち早くキャッチでき、その情報をもとに既存の商品の改善や新商品の開発に活かすことができます。
コンタクトセンター業務の効率化がおこなえる
コンタクトセンターやコールセンターの業務には、顧客対応だけでなく、対応履歴の記録、管理者や他部署への報告など、複数の業務があるため煩雑です。そこでチャットボットを導入することで、オペレーターの対応数の削減や応答率の向上が期待できます。
また、顧客の中には「電話で話すことや、メールのような改まった文章を作るのが苦手」という人もおり、そのような場合にもチャットボットは有効です。チャット形式でやり取りするため、顧客が抵抗感や面倒くささを感じにくく、気軽にお問い合わせをすることができます。
2.チャットボット導入で考えられるデメリット

初期のシナリオ設定に時間がかかることも
一方で、チャットボットの導入には以下のようなデメリットが考えられます。
チャットボットの稼働には、FAQやシナリオ、AI用の学習データなどが必要です。チャットボットの種類が、シナリオに沿って対応する「シナリオ型」でも、AI(人工知能)を搭載した「AI型」でも、スムーズな会話を成立させ、回答精度を上げるためには膨大なデータが必要になり、その準備には時間がかかってしまいます。
そのため、ある程度の準備期間が必要であることを踏まえて計画を立てなければいけません。準備に必要な期間はチャットボットに求める内容や機能によって異なるため、ベンダーに相談しながら計画を立てていくと良いでしょう。
費用対効果の見極めが難しい
チャットボットの導入には、サービス利用料や設置費用、シナリオ/学習データ作成費用、カスタマイズ費用といった初期にかかる費用のほか、月単位あるいは年単位でランニングコストがかかります。
その費用に見合った効果を求める一方で、チャットボットの導入に明確な目的がなければ、費用対効果の見極めは難しいでしょう。
そのため、事前に自社の課題を洗い出し、「チャットボットを導入することでどうしたいのか」といった目的を明確化する必要があります。その上で、チャットボットの利用率や回答率、オペレーターの対応数・人件費、コンバージョン数や売上を比較していきましょう。
また、目的は明確であるものの、それに適した製品を選定できていないことで効果が得られていないといったケースも存在します。その場合、選定した製品が課題解消に適しているのかを自社だけで判断することは容易ではありません。そのため、信頼できるベンダーに相談して、自社に合った製品を提案してもらうことをおすすめします。
チャットボットを導入したのにオペレーターの業務が減らない
オペレーターの業務効率化といった目的を持ってチャットボットを導入しても、オペレーターの対応数が一向に減らないといったことも起こります。
考えられる要因としては、チャットボットが認知されていないこと、使いにくいこと、問題を解決できないことなどが挙げられます。
そのほかにも、顧客が比較的高齢である場合、チャットボットでのやりとりに慣れておらず、電話のやりとりを望んでいることも考えられます。
そのため、チャットボットの利用率や回答率のチェックに加え、アンケートを実施するなどして、顧客のニーズを把握する必要がありますが、自社だけで解決するよりも、多くの事例を経験してきたベンダーに相談することで、自社に合った解決策を提案してもらうことができるでしょう。
3.自社の顧客にマッチするかを考えた上でチャットボットの導入を

ここまで、チャットボット導入によって考えられるメリットとデメリットを解説してきました。チャットボットの活用によって、顧客の利便性や自社の売上の向上、業務の効率化といったさまざまなメリットが期待できます。
その一方で、リリースまでに時間や費用がかかること、期待した効果が得られない場合があることなどのデメリットが生じることもあります。
そこで、自社の課題や環境にチャットボット導入が合っているのか、どの製品が適しているのか、といった導入段階での相談だけでなく、効果的な運用方法やトラブル発生時の相談もできる経験豊富なベンダーをパートナーにすることがおすすめです。
NTTビズリンクでは、顧客対応窓口やECサイト運営などの課題を解消するチャットボットを始め、コールセンターやコンタクトセンター運営にまつわる課題の解消に向けて、全体設計から構築・運用まで一元的にサポートする「コンタクトセンターソリューション」をご提供しています。
チャットボットやコールセンターシステム(CTI)導入の必要性はもちろん、御社における課題に合わせたご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「コンタクトセンターソリューションサービス」をご提供しております。
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