
働き方改革の推進や人口減少による人材不足などにより、多くの企業が業務効率化やその中での生産性向上を目指した施策を講じています。生産性向上のためには、人件費やコストを削減しながらも、顧客満足度を維持・向上し、機会損失をできるだけなくす必要があります。
そういった課題解消の手法の1つとして、近年では、チャットボットが注目され、導入する企業が増えています。コールセンターやECサイトを運営する企業はもちろん、それらを持たない企業でも社内向けツールなどとして、チャットボットは活用されています。
一方で、チャットボットと言っても製品によって色々な特長があり、「どのような基準で選べば良いかわからない」という人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、チャットボットを選ぶ際の選び方、比較ポイントについて解説していきます。
1.チャットボットを選ぶ際に比較するポイント5点

まずチャットボットを導入する目的とゴールを決める
導入前には、チャットボットを使って実現したいことを明確にしておく必要があります。自社の課題や導入目的がはっきりしないまま製品を選定・導入してしまうと、自社に必要な機能の要不要が判断できず、後にミスマッチが起こるおそれがあります。
その結果、利用者や利用頻度が増えず、期待していた効果も得難いでしょう。また、効果の検証をすることも困難となります。
そのため、事前に自社の課題を洗い出し、「チャットボットを導入することでどうしたいのか」といった目的を設定しておく必要があります。
①ゴールにマッチするのはシナリオ型か
ゴールである導入目的が決まったら、製品の選定に移ります。チャットボットは、「シナリオ型」と「AI型」の2種類に大別することができるため、まずは、どちらが自社に適しているのかを考えましょう。
「シナリオ型」とは、あらかじめ想定・作成したシナリオに沿って利用者とやりとりするチャットボットで、ルールベース型とも呼ばれます。利用者にいくつかの選択肢を提示し、選択してもらうことで回答に導きます。メリットとしては、AI型よりもコストがかかりにくいことや、作成したシナリオに沿って回答をするため間違った回答をしにくいことが挙げられます。一方で、シナリオの作成にあたり多くのシミュレーションが必要になり、手間と時間がかかることがデメリットです。
「AI型」とは、AI(人工知能)を搭載したチャットボットで、AIが過去の履歴などから収集したデータを学習し、それをもとに回答を返します。シナリオ型と比べて、複雑でスムーズな受け答えが可能だが、初期段階などで学習量が少ないと回答精度が落ちてしまいます。そのため、ある程度の学習データ量を確保する必要があります。また、正しく回答できているかのチェックが都度必要であり、導入費用だけでなくメンテナンス費用もかかりやすいです。
このように、シナリオ型にもAI型にも各々メリット・デメリットがあるため、目的や予算に合わせて製品を選定しましょう。
②導入後のメンテナンスや効果検証が行いやすいか
チャットボットが十分な効果を発揮・継続するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。
チャットボットは導入して終わりの製品ではなく、実際の運用に合わせてシナリオの追加・修正といったメンテナンスが欠かせません。こうしたメンテナンスを十分にしていない場合、顧客からのお問い合わせに適切に対応することができず、顧客満足度が低下してしまいます。
具体的には、リリース後にデータを収集していく中で、想定していなかったお問い合わせや利用者のニーズが判明していくため、それに合わせてチャットボットの情報を更新していく必要があります。そのため、製品選定のポイントとして、「メンテナンスのしやすさ」も重要になってくるでしょう。
また、チャットボット導入後の効果検証も欠かせません。効果検証においては、チャットボットの利用率や回答率、お問い合わせ数やコンバージョン数といった数値を測定していくことになりますが、その際の分析のしやすさや管理画面のわかりやすさも重要です。
③サービス提供企業のサポート体制が整っているか
チャットボット選定の際に、その種類や性能・機能の比較に加えて、サポート体制の充実も重要な要素となります。
チャットボットを運用していく中で、時に課題や疑問点が生じたり、トラブルが起こったりすることがあります。そのような際にできるだけ早く解消・解決に導いてくれる相談窓口があるかどうかを確認しておきましょう。
こういった窓口があれば、トラブル発生時以外でも、効果的な運用方法のアドバイスを求めるなどの相談もしやすいでしょう。
④初期費用および月額費用が自社の予算とあっているか
チャットボットにかかる費用として、初期費用、月額費用/年額費用、シナリオ/学習データ作成費用、カスタマイズ費用などがあります。ベンダーによって言い方や区分は異なりますが、主にこれらの費用がかかることになります。
また、シナリオ型のチャットボットの場合はシナリオ作成費用、AI型の場合はAIに学習させるデータ費用、自社独自の仕様にする場合にはカスタマイズ費用、場合によってはその他のオプションサービス費用などがかかるので注意が必要です。
初期費用が安くても月額/年額費用が高かったり、またその逆もあったりするので、トータルでいくらぐらいかかるのかを確認し、これらの費用が自社の予算と合っているのか、費用対効果が見込めるかどうかを判断しましょう。
⑤導入前にデモや試用期間で試すことができるか
チャットボットには、上記のようなさまざまな費用がかかるため、導入後にミスマッチが起こらないか慎重になる必要があります。そこで、無料や少額でトライアル期間を設けているサービスを利用して、使い勝手や運用イメージを確認することがおすすめです。
そして、そのトライアル期間を使って、運用の仕方や生じた問題を相談・解決することで、本導入の際にスムーズなスタートが切れるようにすることが重要です。
2.どの製品が自社にあっているか分からない場合は専門家に相談を

ここまで、チャットボットを選ぶ際の比較ポイントについて解説してきました。前述したように、チャットボットは導入して終わりではなく、定期的なメンテナンスや効果検証が必要となります。そのため、製品選定の際にはそれぞれの特長だけでなく、ランニングコストと期待する効果のバランスや使いやすさといったポイントを踏まえて、自社の条件や予算に合った製品を選びましょう。
その一方で、チャットボットの種類や機能は多様であり、自社の課題や環境に適した製品を選ぶことは容易ではありません。そのため、導入の際には、自社の課題に対応できる製品の提案から、運用時のアドバイスやトラブル発生時の相談まで、幅広いサポートが可能なベンダーを選定することが重要です。
NTTビズリンクでは、顧客対応窓口やECサイト運営などの課題を解消するチャットボットを始め、コールセンターやコンタクトセンター運営にまつわる課題の解消に向けて、全体設計から構築・運用まで一元的にサポートする「コンタクトセンターソリューション」をご提供しています。
チャットボットやコールセンターシステム(CTI)導入の必要性はもちろん、御社における課題に合わせたご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「コンタクトセンターソリューションサービス」をご提供しております。
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