コールセンターにおける業務指標のひとつとして「応答率」を挙げることができます。
応答率とは、コールセンターに入った電話のうち、オペレーターがどれだけ対応できたかを示す数値です。この数値が高いほど、つながりやすいコールセンターと言えます。
そこで本記事では、コールセンターの応答率を向上するために必要なチェック項目について詳しく解説していきます。
コールセンターの応答率向上について必要なチェック項目
応答率は単純なオペレーターの人数ではなく、実際の応対件数に基づいて算出されるため、コールセンター業務がどの程度正常に稼働していたのかどうかを示す指標とも言えます。コールセンターの応答率は、「応答率=対応件数÷着信件数×100」の計算式で算出することができます。
コールセンターでは、つながりやすさが顧客満足度に直結するため、この応答率が重視されています。一方で、応答率を上げるために、オペレーターの数を1人増やすだけでも多くのコストが生じるため、実施する対策は慎重に検討しなくてはなりません。
ここからは、必要以上にコストをかけることなく応答率を上げるために、事前にチェックすべき項目を3つ解説します。
オペレーターの受電以外の業務は適切な量か
オペレーターの業務は、「電話を切ったら終わり」ではありません。応対内容の記録や、状況によっては上司に報告・相談しなければならないケースもあるでしょう。また、近年増えつつある「コンタクトセンター」では、電話に限らずメールやチャットなどでの対応が求められているところもあります。
そこで、応答率を上げるためには、オペレーターの受電応対以外の業務を効率化することが効果的です。一方で、特にコールセンター立ち上げ初期には、「とりあえず」の状態でオペレーターに業務を落とし込んでいるなかで、ひとりひとりの負荷が高まっているケースがあります。過剰な負担を避けるためには、オペレーターが日々どのような業務を行なっているのか、再確認することが欠かせません。
そのうえで、業務内容に応じてコールセンターシステム(CTI)の機能を活用することにより、オペレーターが余裕を持って次の電話に応対できるようになります。例えば、最近のコンタクトセンターシステムのなかには、音声認識により通話録音データをテキスト化できるようなものもあります。
こうした機能を活用してオペレーターの業務を効率化することで、1人あたりの応答件数を増やすことが可能です。
受電対応可能なオペレーター数となっているか
応答率を上げる方法のひとつとして、前述したように業務を効率化してオペレーター1人あたりの応答件数を増やす取り組みがあります。一方で、コールセンターのなかには、既に限界まで業務が効率化されており、オペレーターそれぞれの能力に頼って応答率を上げるような構造となってしまっているところも少なくありません。
こうした状況を避けるためには、応答率を日ごと、時間帯ごとにチェック・分析しつつ、80%以下となっている部分についてはオペレーターの増員を検討することも必要です。
ただし、闇雲にオペレーター数を増やして応答率を向上したとしても、コールセンター全体の品質向上につながるとは限りません。ピークタイム以外では、かえってオペレーターが時間を持て余してしまう状況が考えられるためです。
そのため、常に人員数を増加させるのではなく、例えばピークタイムまわりの時間帯に集中して増員するような取り組みが効果的です。最近では、在宅ワーカーを活用して、こうした体制を構築する企業も増えつつあります。
コールセンターシステムは十分に活用されているか
前述したように、コールセンターシステム(CTI)を活用することは、オペレーターの業務効率化につながります。一方で、最近のコールセンターシステムの中には、非常に多種多様な機能を搭載しているものもあるため、オペレーターがそれらを十分に活用できていないケースも少なくありません。
せっかく高機能なコールセンターシステムを導入していたとしても、活用されていないのであれば当然、応答率の向上にも貢献ができていないことになります。
そこで、例えばオペレーターと1on1ミーティングを行ったり、アンケートを実施したりといった形で、「普段、どのような機能を主に使っているか」「使っていない機能は何か」などのチェックをしておくことが重要です。
そのうえで、「機能があることは知っているが、使い方がわからない」「そもそも便利な機能のことを知らない」という問題が浮上した場合には、マニュアルや研修等を通じて、その使い方を落とし込んでいく必要があります。
コールセンターシステムを活用して健全な運営を
このように、コールセンターシステム(CTI)は、「高機能なものを導入していれば十分」というわけではありません。そのため、上記のようなチェックとあわせてASA(平均応答速度)やSL(サービスレベル)などもチェックしておき、それぞれの指標をより向上したいという場合には、システム自体の見直しも検討してみましょう。
一方で、これらの指標はあくまでも「目安」のため、それだけを見て自社に適切なコールセンターシステムを選定することは容易ではありません。
そのため、コールセンター業務の見直しや、これからコールセンターを立ち上げようとしている場合には、CTIをはじめコールセンターにまつわるソリューションを総合的に取り扱うベンダーなど、専門企業に相談することをおすすめします。
NTTビズリンクでは、コンタクトセンターの課題解決を全体設計から構築・運用まで一元的にサポートする「コンタクトセンターソリューション」をご提供しております。
応答率に関する課題はもちろん、御社の体制に合わせたご提案をさせていただきますので、コールセンターを運営するなかでお悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「コンタクトセンターソリューションサービス」をご提供しております。
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