
このところ、コールセンター業務に欠かせない「Computer Telephony Integration(以下CTI)」)を、インバウンドの顧客管理にも活用する企業が増えつつあります。
そこで本記事では、CTIの機能を踏まえ、次の3つの視点でインバウンドの顧客管理に活用するメリットや注意点について解説していきます。
インバウンドコールセンターで役立つCTIの主な機能
顧客管理においてCTIを活用するメリット
顧客管理システム(CRM)とCTIを連携させる際の注意点
1.インバウンドコールセンターで役立つCTIの主な機能

PCと電話機を連携してさまざまな業務を効率化するCTIは、今や多くのコールセンターに導入されており、数多くの製品が登場しています。
そんなCTIの機能は、発信業務に特化したアウトバウンド用の機能と、着信業務に特化したインバウンド用の機能の2種類に分類されます。
ここでは、主にインバウンドコールセンターの運営で役立つCTIの基本機能について、簡単に紹介していきます。
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通話相手の顧客情報を確認できる
「膨大な顧客情報から、着信相手の情報を探し出すだけで時間がかかる…」
CTI未導入のコールセンターでは、このような課題が生じがちです。その点、CTIには、一度やり取りを行った顧客の場合、相手の顧客情報を着信と同時にPC画面上へ表示できる顧客情報表示機能を備えたものがあり、検索時間のロスを短縮することができます。
電話番号や名前のほか、購入履歴や応対メモなどを記録・表示することができるため、オペレーター間の情報共有がスムーズで、CTI未導入の場合と比較してサービス品質の向上も期待できます。
通話録音機能によりトラブル拡大を未然防止
書面でのやり取りを交わさない電話対応では、顧客との間で通話内容について誤解が生じたり、「言った・言わない」の水掛け論が起きたり、といったこともあります。そして、お互いの顔が見えないやり取りの中で、そうしたトラブルが大きな問題に発展してしまうことも少なくありません。
こうしたトラブルの拡大を未然に防止するため、CTIには通話録音機能が搭載されています。録音したデータによって「言った・言わない」の水掛け論を解消できるだけでなく、正しい情報をもとに適切な対応ができるようになります。
また、このようなトラブル発生時に限らず、通常時からオペレーターの対応を確認することで、その品質を維持・向上する効果も期待できます。
顧客管理においてCTIを活用するメリット

上に挙げた他にも、CTIにはコールセンターのサービス品質向上や顧客満足度向上につながるさまざまな機能が搭載されています。なかでも注目されているのが、顧客管理機能です。
インバウンドコールセンターにおいて着信内容を反映してCTIに集約された情報は、顧客管理システム(CRM)との連携により、その後の営業やマーケティングに活用されることが通常です。
一方最近では、顧客管理機能を標準搭載するCTIが登場しています。こうしたCTIは、顧客管理システムを個別に導入する必要がなくなるため、企業に次のようなリットがあります。
導入時のメリット
別のベンダーから個別にCTIと顧客管理システムを連携する場合、その相性に注意が必要です。既存のシステムと新規導入予定のシステムで相性が良くない場合、データがスムーズに連携できないケースも想定されます。
顧客管理機能を標準搭載するCTIであれば、そもそも連携する必要がないため、このような心配は不要です。
運用開始時のメリット
CTIと顧客管理システムを個別に導入した場合、それぞれUI・UXが異なるため、オペレーターが操作に習熟する時間もそれぞれのシステムで考慮しておかなければなりません。
その点、顧客管理機能を標準搭載するCTIであればUI・UXも同様のため、オペレーターが操作に習熟するまでの時間を短縮することができます。
顧客管理システム(CRM)とCTIを連携させる際の注意点

上記のようなメリットがある一方で、既に運用している顧客管理システムにCTIを連携させたいと考えている場合には、注意が必要な点もあります。
前述したように、別ベンダーのシステム同士では、データ連携がスムーズにいかない場合があり、既存の顧客管理システムのデータをCTIにスムーズに引き継げないケースがあるためです。
そこで、顧客管理システムと連携させCTIを導入する際には、CTIサービス単体だけではなく、既に導入されているシステムも含めて、包括的な設計に関するノウハウがあるベンダーを選定することをおすすめします。
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この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「コンタクトセンターソリューションサービス」をご提供しております。
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