ユーザーサポートは、電話によるコールセンターが主流でした。しかし、最近ではコンタクトセンターと呼ばれるユーザーサポートが増えています。コールセンターとコンタクトセンターの違いは何でしょうか。
この記事では、コンタクトセンターの役割から、どのようなシステムを必要とするのかを解説します。コンタクトセンターの運用に興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.コンタクトセンターはどういうもの?
2.コールセンターとコンタクトセンターの違いは?
3.コンタクトセンターが注目される理由とは?
4.コンタクトセンターの役割とは?
5.コンタクトセンターに必要なシステムとは?
6.時代はコールセンターからコンタクトセンターへ
7.まとめ
1.コンタクトセンターはどういうもの?
コンタクトセンターとは、電話だけではなくチャットやメールなど、さまざまな手段を用いて顧客への対応を行う部署のことをいいます。
以前は電話によるサポートが主流でしたが、PCやスマートフォンの普及により、通話よりもチャットやメールなど文字による対話を好む人が増えてきました。このような時代の流れから、さまざまなチャネルからのお問い合わせを総括してサポートする仕組みがコンタクトセンターです。
2.コールセンターとコンタクトセンターの違いは?
コールセンターは電話応対センターであり、基本的に電話での対応のみを行う場所です。一方、コンタクトセンターは、電話以外にもFAXやメール、チャット、SNS、Webページなど複数のチャネルで対応します。
電話以外のさまざま手段で対応するようになったので、コンタクトセンターと呼ばれるようになりました。ただし、電話のみの対応でもコンタクトセンターと呼ぶ場合もありますし、手段がマルチ化していてもコールセンターと呼ぶ企業もあります。
3.コンタクトセンターが注目される理由とは?
コンタクトセンターは、顧客満足度に影響を与える重要な接点として注目されています。なぜ注目されているのか、その理由について解説します。
コミュニケーション手段の多様化
以前は電話で対応できれば十分でしたが、FAXの出現やインターネットの普及により、顧客といろいろな手段でコミュニケーションをとる必要が出てきました。電話以外にFAXやメール、チャット、SNSなど、コミュニケーション手段はオムニチャネル化しています。
顧客によってどの手段を好むかは違ってくるため、お問い合わせ手段の間口を広げておいたほうが、顧客満足度の向上につながりやすくなります。
消費者の価値観が変化した
コンタクトセンターの重要性が上がった理由として、消費者の価値観が変化したこともあります。従来、消費者が重要視するのは、企業の製品やそれに関わるサービスについてでした。しかし、現在ではそれに加えて、購入したときに感じる体験、企業との対話にも価値を置くようになっています。
そのため、企業の対応に不満を抱くと、購入時の嫌な体験となり、企業に不信感を持つようになります。このような顧客の価値観に対応することが、コンタクトセンターの業務のひとつです。
4.コンタクトセンターの役割とは?
コンタクトセンターは、顧客だけでなく企業にとっても重要です。コンタクトセンターが果たすべき役割について解説します。
サービスのレベルを均一化する
コンタクトセンターでは、どのオペレーターがいつ対応しても、同じレベルのサービス品質でなければなりません。オペレーターの経験値や対応力によって顧客への応対レベルが変わってしまっては、顧客に不信感を抱かせます。
いつどのような方法でお問い合わせをしても、同じ品質のサービスを提供できることがコンタクトセンターの役割です。
顧客と良好な関係を築く
コンタクトセンターは、企業と顧客をつなぐ架け橋です。そのため、誠意を持って丁寧に対応し、顧客と良好な関係を築かなければなりません。
顧客にきちんと接すれば、顧客の購入体験の価値が上がり、そして、それは企業のファンを増やすことにつながります。コンタクトセンターは企業の顔であることを意識し、顧客と接しなければなりません
他の部門とも連携してサポートできるようにする
コンタクトセンターは顧客への対応のほかに、自社の他部門と連携する役割もあります。コンタクトセンターで集められた情報は、商品の改善や開発、サービスの品質向上に役立ちます。これらの情報を精査し、商品開発部門やマーケティング部門に伝えれば、顧客への対応だけではなく、商品に関する満足度も高まるでしょう。
5.コンタクトセンターに必要なシステムとは?
コンタクトセンターはさまざまなシステムと連携可能ですが、さらに発展させるためのシステムを説明します。
チャットボット
チャットボットとは「チャット」と「ロボット」を掛け合わせた言葉で、対話できるロボットのことです。
電話だけではなく、さまざまな方法で顧客に対応するコンタクトセンターでは、お問い合わせ件数が膨大になることもあります。チャットボットを導入すれば、顧客への対応をロボットが自動で行うので、人件費の削減やオペレーターの負担を減らすことにつながります。
また、チャットボットはロボットであるため、24時間年中無休で対応可能です。現在の技術では、完全に人間と同じような対応はできませんが、簡単なお問い合わせやお問い合わせの種類を分類化する一次対応は十分に可能です。
CTI(Computer Telephony Integration)
CTIとは、電話とコンピューターをつないでコールセンター業務をスムーズにするシステムです。コンタクトセンターの中でも電話を使った対応に使われます。
CTIと顧客データ、電話番号と顧客情報や取引内容を紐づけて、受信と同時に表示することが可能です。また、各オペレーターの通話時間や受付件数を管理して、対応の時間が均等になるように受信を振り分けられます。ほかにも、管理者がオペレーターの状況をモニタリングする機能などもあります。
顧客データベースと連携したCTIを活用すれば、お問い合わせのたびに顧客情報をヒアリングすることも、前回のお問い合わせ内容を聞く必要もありません。顧客との対話がスムーズになるので、満足度向上につながります。
CRM(Customer Relationship Management)
コールセンター向けCRM(顧客管理システム)は、顧客情報や顧客との応対履歴をデータとして蓄積することで、コールセンター内で他のオペレーターと共有できるシステムです。CRMシステムを活用することでサービスレベル向上や業務効率化を図ることができます。 CRMシステムを使いオペレーターは、顧客とのコンタクト履歴の入力や閲覧を行います。また、スーパーバイザーなどの管理者も、顧客からどのような声が寄せられているか、オペレーターが正しく応対ができているか、またどのオペレーターが効率よく業務をこなせているかのパフォーマンスの確認といった目的で利用します。
通話録音装置
通話録音装置とは、通話内容を録音する装置です。通話録音装置があると、通話内容を聞き返すことができます。オペレーターの不適切な発言の防止、今後の対策の検討、オペレーター教育のための教材などに活用可能です。
また、顧客とトラブルが起こったときにどのような発言があったのかを確認できるので、正確に真実を把握することができます。
コンタクトセンターでの通話は膨大で、とても人間の力では把握しきれません。そのため、通話録音装置を使って通話を記録しておくことが大切です。このような装置を活用し、サービスや商品の品質向上だけではなく、オペレーターが傷つかないように守る必要があります。
SMS(Short Message Service)
SMSとは携帯電話同士でやり取りするもので、携帯電話の番号を使って文字によるメッセージを送るサービスです。SMSは1回につき短い文章しか送れませんが、その分コストが低いという特長があります。
コンタクトセンターの電話には数多くのお問い合わせが来ることもあります。こういったときにSMSを併用することで、ほかのお問い合わせセンターや申し込みの窓口へ顧客を誘導することができます。
6.時代はコールセンターからコンタクトセンターへ
顧客への対応力を上げるためには、電話による対応だけでは十分とは言えなくなりました。メールやチャットなど、そのほかの手段でも対応できるようにしていかなければなりません。時代はコールセンターからコンタクトセンターに移りつつあるのです。
コンタクトセンターが発展すれば、さまざまな手段で顧客とコミュニケーションを取ることができ、情報収集ができます。顧客満足度が上がり顧客獲得にもつながるでしょう。
7.まとめ
今後、コンタクトセンター機能の効率化を考えると、対応できるお問い合わせ数を増やし、オペレーターの負担を減らせれる、チャットシステムの導入がおすすめです。
チャットシステムを導入するなら、自動応答と有人応答でハイブリットに使えるNTTビズリンクのチャット応対ソリューションを検討ください。
チャットボットから有人チャットへの切り替えがスムーズで、オペレーターに対するフォローもできます。
また、ナレッジ機能がついており頻繁に使用する返答内容、模範的な応対データ、資料などを応対ナレッジとして登録し、活用することで、オペレーターは、スピーディーで正確な応対が可能となります。
コンタクトセンターの効率化をご検討の際はぜひお問い合わせください。
この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「コンタクトセンターソリューションサービス」をご提供しております。
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