
近年、新型コロナウイルス感染の拡大をきっかけに、IRイベントやPRイベントのオンライン実施が増えています。特に株主総会においては、2020年2月に経済産業省が公表した「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(※)」に注目が集まり、同年6月には223社の上場企業の実施が確認されています。
※出典:「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(別冊)実施事例集」(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2020/02/20210203002/20210203002-2.pdf
こうした状況の中で、「これから各種イベントのオンライン実施を考えている」という方や、「オンライン開催する具体的なメリットはあるのか?」と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、新型コロナウイルス感染症危機前からオンラインイベントの配信・運営を担ってきた現場から、今注目を集めているバーチャル株主総会の種類およびイベントをオンライン実施するメリットを紹介・解説していきます。
1.バーチャル株主総会とは

バーチャル株主総会は、経済産業省のガイドラインにおいて「ハイブリッド参加型」「ハイブリッド出席型」「バーチャルオンリー型」の3つに分類されています。
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ハイブリッド ”参加型” | ハイブリッド ”出席型” | バーチャルオンリー型 | |
実施形式 | リアル会場の実施+オンライン配信 | リアル会場の実施+オンライン配信 | オンライン配信のみ |
バーチャル参加者の取り扱い | 会社法上の「出席」にあたらない | 会社法上の「出席」にあたる | 会社法上の「出席」にあたる |
質問 | × | △ (企業によって異なる) | △ (企業によって異なる) |
当日の議決権行使 | × | △ (企業によって異なる) | △ (企業によって異なる) |
開催のための条件 | ー | ー | ・上場会社であること |
※1:産業競争力強化法66条1項・2項、省令1条・2条
以下のいずれにも該当するものであること。
(i) 通信の方法に関する事務((ii)(iii)の方針にもとづく対応に係る事務を含む。)の責任者の設置。
(ii) 通信の方法に係る障害に関する対策についての方針の策定。
(iii) 通信の方法としてインターネットを使用することに支障のある株主の利益の確保に配慮することについての方針の策定。
(iv) 株主名簿に記載・記録されている株主の数が100人以上であること。
※2:両大臣の確認に関する手続は、事前相談、正式申請、両省における審査、確認書の交付の流れ。
※3:株主総会を場所の定めのない株主総会とすることができる旨の定款の定め。定款の定めを設けるためには、株主総会の特別決議による定款変更が必要。ただし、施行後2年間は、(※1)の確認を受けた上場会社については、定款の定めがあるものとみなすことができる。
※4:確認時に加えて、場所の定めのない株主総会の招集決定時に、省令要件に該当している必要がある。この時点での省令要件該当性については、招集決定者において確認することとなる。
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出典:「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200226001/20200226001.html
出典:「場所の定めのない株主総会(バーチャルオンリー株主総会)に関する制度」(経済産業省)
ハイブリッド参加型バーチャル株主総会
ハイブリッド参加型バーチャル株主総会とは、株主がリアル株主総会に加え、インターネットなどの手段によって「審議を傍聴できる」株主総会のことです。
この「参加型」では、インターネットなどの手段で傍聴する株主(以下、バーチャル出席株主)は会社法上の出席として扱われず、審議の確認や傍聴のみ可能となります。そのため、議決権行使や質問をすることはできません。いわゆる、決算説明会やIRプロモーション、個人投資家説明会などのイメージに近いと言えます。
ハイブリッド出席型バーチャル株主総会
ハイブリッド出席型バーチャル株主総会とは、株主がリアル株主総会に加え、インターネットなどの手段によって「審議に出席する」株主総会のことです。
この「出席型」は「参加型」と異なり、バーチャル出席株主が会社法上の出席として扱われます。そのため、リアル出席の株主と同様に議決権行使や質問を行うことができます。
一方で、開催する企業側は、オンラインで議決権行使ができるよう参加者の本人確認や質疑応答(双方向コミュニケーション)を行う仕組みといった、イベント配信以外の仕組みを導入する必要があります。
バーチャルオンリー型株主総会
バーチャルオンリー型株主総会とは、リアル株主総会を開催せず、取締役や株主などがインターネットなどの手段を用いて出席できる株主総会のことです。
2021年6月に経済産業省が「産業競争力強化法にもとづく場所の定めのない株主総会 制度説明資料」を公表し、「場所の定めのない株主総会」に関する制度を創設したことによって、経済産業大臣および法務大臣の確認を受けるなどの一定の条件を満たした上場会社がバーチャルオンリー株主総会を開催できるようになりました。
バーチャル株主総会や各種IRイベントをオンラインで実施するメリット
こうした株主総会をはじめ、IR・PRイベントのオンライン実施は、参加者側にも実施する企業側にもさまざまなメリットをもたらします。
投資家など参加者側のメリット
参加者側のメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
・遠方にいる人でも参加できる
・開催日が重複したイベントにも参加できる
・新型コロナウイルス感染のリスクが低減する
オンライン参加が可能になることで、参加者は会場までの移動時間や費用といった負担が低減するとともに、リアルでは困難だった複数のイベントへの参加や遠方からの参加が可能になります。また、昨今の新型コロナウイルスのような感染症の感染リスクも低減します。
企業側のメリット
一方、企業側のメリットには次のようなものが挙げられます。
・規模の大きな会場の用意が不要になる
・会場のスタッフ数を削減できる
・新型コロナウイルス感染防止対策の負担が軽減する
・遠方にいる人の参加による参加者増が期待できる
・企業のイメージがアップする
・経営の透明性がアップする
・投資家を含めた社外へ広くPRすることができるようになる
バーチャルオンリー株主総会のようにリアル会場に参加者の来場がない場合はもちろん、ハイブリッド型株主総会のようにリアル会場への来場者がいる場合でも、オンライン参加を促すことでリアル参加者の削減が見込め、スタッフ数の最小化やリアル会場での対応負担の軽減につながります。
また、遠方にいる投資家など、より多くの人にイベントに参加してもらえることから、企業のイメージアップや経営の透明性向上も期待できます。
2.バーチャル株主総会や各種IRイベントをオンラインで実施するメリット

こうした株主総会をはじめ、IR・PRイベントのオンライン実施は、参加者側にも実施する企業側にもさまざまなメリットをもたらします。
投資家など参加者側のメリット
参加者側のメリットとしては、次のようなものが挙げられます。
・遠方にいる人でも参加できる
・開催日が重複したイベントにも参加できる
・新型コロナウイルス感染のリスクが低減する
オンライン参加が可能になることで、参加者は会場までの移動時間や費用といった負担が低減するとともに、リアルでは困難だった複数のイベントへの参加や遠方からの参加が可能になります。また、昨今の新型コロナウイルスのような感染症の感染リスクも低減します。
企業側のメリット
一方、企業側のメリットには次のようなものが挙げられます。
・規模の大きな会場の用意が不要になる
・会場のスタッフ数を削減できる
・新型コロナウイルス感染防止対策の負担が軽減する
・遠方にいる人の参加による参加者増が期待できる
・企業のイメージがアップする
・経営の透明性がアップする
・投資家を含めた社外へ広くPRすることができるようになる
バーチャルオンリー株主総会のようにリアル会場に参加者の来場がない場合はもちろん、ハイブリッド型株主総会のようにリアル会場への来場者がいる場合でも、オンライン参加を促すことでリアル参加者の削減が見込め、スタッフ数の最小化やリアル会場での対応負担の軽減につながります。
また、遠方にいる投資家など、より多くの人にイベントに参加してもらえることから、企業のイメージアップや経営の透明性向上も期待できます。
3.スムーズなイベント運営のためには、外部のサポートも視野に入れる

このように、イベントのオンライン実施には多くのメリットがあります。費用対効果が高く、オンラインに切り替えた年度からその結果が現れるため、株主総会に限らず、企業説明会や決算説明会、記者会見やイベントプロモーションなど、さまざまなイベントがオンラインで実施されるケースが増えつつあります。
その一方で、オンライン実施には、映像配信のための会場や機材の設営・操作、イベントを盛り上げるための演出やスムーズなカメラワークなど、専門的なスキルやノウハウが必要になります。また同時に、イベントとしての要素である登壇者のアテンドやイベント進行も必要であるため、自社の関係者だけで実施することは容易ではありません。
そこで、自社のリソースは要であるイベント進行に集中し、映像配信の準備・運用といったいわゆるシステム的な部分は、ノウハウと実績が豊富なパートナーのサポートを受けるのも一つの手段です。
パートナーの選定にあたっては、スムーズな機材操作や魅力的な演出はもちろん、トラブルの未然防止策の構築や、トラブル発生時の対応など、企画・準備から当日の運営までトータルで任せることができるパートナーを選びましょう。
NTTビズリンクでは、遠隔地を高品質・高画質でつなぐ「マネージド映像イベントソリューション」をご提供しています。 さまざまな映像イベントのサポート実績によるノウハウを活かし、お客さまのご利用用途やご要望をもとに、最適な実施方法をご提案いたします。
イベントの企画から準備、当日のオペレーションまで熟練したスタッフがワンストップでサポートいたしますので、株主総会や決算発表、各種説明会、講演、学会などのオンライン実施を検討・予定されている企業・団体さまは、お気軽にご相談ください。
また、ビジネスユースのオンラインイベント実施にお役立ていただける資料もご用意しております。ぜひご一読ください。
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この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「映像イベント&配信ソリューション」をご提供しております。
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