コンタクトセンターを運営する上で、業務効率化や顧客満足度の向上のために、音声認識の導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、コンタクセンターへの音声認識導入のメリットや選定方法、導入の課題点などを詳しく解説します。ぜひ、コンタクトセンターのサービス向上に役立ててください。
目次
1.コンタクトセンターで活用できる音声認識とは?
2.コンタクトセンターが抱える課題と音声認識の関係性とは?
3.音声認識の導入メリットとは?
4.音声認識を導入する上での課題点とは?
5.音声認識システムの選定前に知っておきたいポイントとは?
6.まとめ
1.コンタクトセンターで活用できる音声認識とは?
「音声認識」とは、AIに音声を認識させてテキスト化したり、音声の特徴から声を出している人を識別したりするシステムのことです。コンタクトセンターでは通話内容をテキスト化することによって、対応履歴の入力時間を短縮させるなど、さまざまな目的で活用できます。次世代のソリューションとして、現在注目されており、多くのコンタクトセンターで導入されています。
2.コンタクトセンターが抱える課題と音声認識の関係性とは?
ここでは、コンタクトセンターが抱える課題と音声認識の関係性について解説します。
コンタクトセンターが抱える課題
コンタクトセンターが抱える課題として、まず人手不足が挙げられます。業務によるストレスの多さや多忙さなどを理由に人材が定着せず採用難に陥っているのです。また顧客満足度向上のために、応対品質の均一化やオペレーターの能力向上も求められます。オペレーターの教育ノウハウがない企業では質の均一化や能力向上は大きな課題となっています。
コンタクトセンターには日々顧客の声(Voice of Customer)が集まりますが、コンタクトセンターの運用自体に課題がある場合は、せっかくの顧客の声も有効活用できないケースが多いです。
課題点解決策としての音声認識導入
上記の課題を解決するための方法として、音声認識をコンタクトセンターに導入することがあげられます。
次の見出しで、音声認識によって具体的にできることを詳しく紹介します。
3.音声認識の導入メリットとは?
ここでは、音声認識の導入メリットを解説します。
コンタクトセンターが抱える課題の解決
人手不足の解消には適切な人員配置が有効であり、音声認識を使うことで対応オペレーターを適切に振り分けることが可能になります。
例えば、音声認識で問い合わせ内容を識別し、専門的な知識があるオペレーターが対応すべき案件なのか、マニュアルで対応可能な簡易な問い合わせなのかを振り分けることができます。
また、どのような問い合わせが多いのか分析できれば、オペレーターの対応マニュアルを追加することでオペレーターの質向上にもつながります。
業務の効率化
音声認識では、通話内容を記録しテキスト化することも可能です。オペレーターが通話内容を入力する業務があった場合、業務効率化につながります。また、音声認識で問い合わせ内容を認識、予測される回答を提示する機能を使うことができればオペレーターの対応時間の削減にもなります。
オペレーターの負担軽減
音声認識はクレーム防止策としても機能します。通話中にクレームになりそうな内容を認識でき、上長が検知できる仕組みがあれば、上長がフォローに入りクレームを未然に防げます。
コンタクトセンターは、顧客からのクレームに対応しなければいけないケースも多く、精神的負担が重くなりがちです。音声認識を活用することで、オペレーターが受ける精神的負担を軽減できることから、早期離職を防ぐ効果も期待できます。
対応履歴の効率的な確認
音声認識を導入することで、お客さまとの対応履歴を効率的に確認することができます。オペレーターが対応した内容をさまざまな視点から分析するには、大量の通話記録を聴いて確認しなければいけません。その際、音声認識で通話内容をテキスト化しておけば、文字で確認できるため作業効率が上がります。
社内教育コストの削減
音声認識で蓄積したデータを活用することで、新人に対する社内の教育コストの削減にもつながります。例えば、先輩社員が対応した通話内容をテキスト化し、それをそのまま研修の教材として使用すれば、教材費の削減になります。
また、コンタクトセンターでは、コンプライアンスに違反した内容がないかなど、通話内容を確認する必要があります。音声認識を活用して、通話内容をテキスト化しておくことで、違反ワードを効率的に見つけられます。
4.音声認識を導入する上での課題点とは?
音声認識をスムーズに導入するためにも、事前に課題点を把握しておきましょう。
音声認識の精度が甘い
音声認識の精度は、システムによっては粗いものも多く、最先端のシステムでも人間と同じレベルには達していません。そのため、雑音やノイズが多い環境やお客さまの声が小さいと、正確に認識できないことも多いのが現状です。通話に適した環境で、丁寧な話し方をした場合の認識率は平均80%〜95%、話し方が鮮明でない場合は、平均50%〜80%といわれています。
導入してもデータを活用できない
音声認識を導入してデータを蓄積しても、上手く活用できないというケースもあります。データを集計・分析を行うツールはあるものの、その技術自体がまだ課題が多いのです。蓄積したVOCを効果的に活用するには、テキスト化された情報から顧客のニーズを発掘し、サービスの品質向上などに積極的に活用する努力が必要になります。
5.音声認識システムの選定前に知っておきたいポイントとは?
音声認識システムを選定する前に、知っておきたい3つのポイントを紹介します。
導入準備
音声認識システムの認識精度を高めるには、「学習」が必要になります。学習させるには、音声やテキストなどの膨大なデータを蓄積しなければいけません。そのため、導入してから、実際に対応できるまで精度を高めるには、時間がかかることに注意しましょう。
コスト
音声認識システムを利用するためには、導入コストがかかります。さらに、導入後もメンテナンス費用がかかります。このコストを削減するには、事前に自社にとって必要な機能を見極めて、それに特化したツールを導入する必要があります。ツールは多機能で高性能なら良いわけではないからです。
認識精度
音声認識システムを選定する際には、認識精度の高さにこだわる必要があります。しかし、ここで気をつけたいのが、初期の認識精度のみにこだわらないことです。導入した後に、どのように認識精度が上がっていくのか、長期的な視点で考えなければいけません。システムをご利用のお客さま側でチュー二ングできる辞書機能が搭載されたシステムであれば、精度維持向上に役立てられます。
6.まとめ
コンタクトセンターに音声認識システムを導入すると、業務の効率化やクレーム対応の負担を軽減できるなど、さまざまなメリットがあります。音声認識システムを選定する前に、導入コストや認識精度などもしっかり調べましょう。
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この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「コンタクトセンターソリューションサービス」をご提供しております。
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