みどり生命がお手頃な保険料を実現できている理由のひとつは、スリムな体制にあります。専属のセールスパーソンを配置せず、販売は代理店に委託。一方でカスタマーサクセスに力を注ぐため、顧客対応の窓口はアウトソーシングせず、すべて自社コールセンターである「お客さまサービスセンター」で受け付けています。
つまり、みどり生命にとっては、コールセンターが主要な顧客インターフェース。それだけに、その存在は非常に重要ですが、いくつもの課題がありました。お客さまサービスセンターのセンター長、山本洋一氏は次のように話します。
「業容の拡大に伴ってコール量も増え続けており、現在は10名のオペレーターで年間に約36,000件のコールを受け付けています。コール量のさらなる増加に対応するためには人員を増加させるのもひとつの方法ですが、オフィスのスペースには限界があります。そこで、まずは業務の効率化を図るべきだと判断しました」(山本氏)
山本氏がそう判断したのは、オペレーターの業務効率管理に手つかずの部分があったことも影響しています。パートタイムで働くオペレーターも混在していることから、1時間当たりの平均コール受付件数の算出しかできず、コールの実態がブラックボックス化していました。
「IVR(Interactive Voice Response、自動音声応答システム)はすでに導入され、『住所の変更』など、お問い合わせの内容によって回線を振り分けていました。電話機のボタンを見れば内容が見分けられるため、対応が難しいと思われるコールをベテランオペレーターに任せることができるわけです。しかし、応答しないとコールが鳴り続けることもあって、うっかり新人のオペレーターが応答してしまうことがあるのです。そうすると、結局ベテランが代わらなければならず非効率でした」(山本氏)
さらに、通話録音を手動で行わなければならなかったり、必要に応じて関係部署へ電話を転送したり、バックオフィスの事務と連携をとったりするのも手間がかかっていました。オペレーターのマネジメントをしている伊藤聡子氏は、その様子をこう明かします。
「コールを受けると、電話機に付属した録音機を操作しなければならないのですが、立て込んでいるときなどは録音漏れが生じることもありました。受付記録に電話機番号を入力したり、セキュリティ管理の面から録音したSDカードの取扱に注意しなければならなかったりすることも正直大変でした」(伊藤氏)