歯止めのかからない少子高齢化の進行により、生産年齢人口は減少し続けています。それに伴い、多くの企業では人材不足や熟練者不足といった問題が生じています。特に、製造業や建築業においてそれは顕著であり、その解決が急務となっているのが現状です。
近年、その解決手段の1つとして、ウェアラブルデバイス「スマートグラス」が注目を集めています。ネットワークの環境改善による通信の高速化・大容量化と相まってその市場はますます拡大しており、スマートグラスを活用してさまざまな問題解決を図る企業が増えつつあります。
そこで本コラムでは、スマートグラスの活用により現場支援で解決できる課題と、導入前のチェックポイントについて解説していきます。
目次
1.機械や設備のメンテナンス・保守業務で、こんな課題ないですか?
2.課題解決のためにスマートグラスを導入する際のチェックポイント
3.現場支援で活躍するツール「スマートグラス」
1.機械や設備のメンテナンス・保守業務で、こんな課題ないですか?
作業員により品質にばらつきが出てしまっている
作業員の能力や経験年数などの差により作業時間・作業品質にばらつきが生まれ、それに伴い作業遅延が生じてしまうことがあります。従業員が一般的な知識・技術を持っている場合であっても、独自の製品を使用していたり特有の工程がある場合には、そのばらつきはさらに大きくなってしまいます。
しかし、知識・技術の習得にはある程度の時間を必要とし、一朝一夕には成し得ません。
現場での移動時間、コストがかかる
現場作業において、責任者などによる進捗確認・作業支援が必要となることがあります。作業現場が離れた場所にあるケースや広大であるケースでは、そこにかかる移動時間・コストの削減を課題としている企業も多いのではないでしょうか。また、1人で複数の現場を掛け持ちしているケースでは、一日に複数回の現場間移動を余儀なくされることもあります。
このような場合、仮に緊急対応が必要になった時にすぐに対応することができず、現場作業が停止してしまいかねません。また、責任者なども移動に時間・労力を費やすため、業務が非効率的になっていることが少なくないのです。
熟練者の技術継承が思ったより進んでいない
現場作業において、熟練者の豊富な知識や巧みな技術は心強いものです。一方で、長年培ってきたその知識・技術が属人化し、社内で十分に共有されていないといった課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。
熟練者の退職や少子高齢化に伴う人材不足が深刻化しつつある昨今、熟練者の持つ知識・技術の継承が急務となっています。しかしながら、通常業務と並行して研修・教育の機会を創出することは容易ではありません。
2.課題解決のためにスマートグラスを導入する際のチェックポイント
このように、現場作業において従業員のスキル差や人材育成、非効率な業務などが課題となっています。しかし、こうした課題はスマートグラスの導入で解消することが可能です。
多くの種類や機能がある中から、ビジネスシーンで活用しやすいスマートグラスの選定ポイントをご紹介いたします。
ポイント1.撮影機能がついていること
作業を写真や動画撮影しておくことで、作業報告や研修・教育用途において写真や動画を活用することができます。マニュアル化が難しい、熟練者の技術などもスムーズに継承できるのです。また、撮影した画像に描画する機能や、現場の騒音や口頭では伝えにくい場合の対策として、チャット機能がついているとより安心です。
ポイント2.安定した通信ができ、セキュリティ対策ができていること
現場環境によっては通信が不安定になる場合があるので、その場合でも音声・映像が鮮明で滑らかであることは重要です。また、通信におけるセキュリティ対策も必要不可欠です。ビジネスにおいては機密性の高い情報を扱うことが少なくないため、通信の暗号化など、堅牢なセキュリティ対策の構築が必須になります。
ポイント3.スマートグラスができるだけ軽量で装着性が快適なこと
スマートグラスを長時間装着する場合、疲れにくく快適性を保ちやすいことは重要です。また、バッテリー充電の手間を軽減するため、バッテリーの持ち時間は長い方が望ましいでしょう。
3.現場支援で活躍するツール「スマートグラス」
ここまで、スマートグラスを活用した現場支援で解決できる課題と、導入前のチェックポイントついて解説いたしました。
製造業、建築業をはじめとするさまざまな業種の現場作業で活用されているスマートグラス。近年、より小型で高性能なものが続々と開発・販売されており、多種多様な中から自社の作業環境に適したものを選定することは容易ではありません。
そのため導入の際には、自社の課題などを相談し、提案から運用まで幅広くサポートしてもらえるベンダーをパートナーにすることがおすすめです。
NTTビズリンクでは、現場のスムーズな作業を支援する「スマートグラスソリューション」をご提供しています。
映像コミュニケーション分野における20年の実績から、スマートグラスの選定はもちろん、現場の環境に沿った運用支援・サポートまで、パートナーとして伴走いたします。
ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「スマートグラスソリューションサービス」をご提供しております。
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