このところ、「バーチャル株主総会」を実施する企業が急速に増えています。
経済産業省が公表している「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(別冊)実施事例集」では、バーチャル株主総会を実施する企業数は、2019年6月には5社であったのに対し、2020年6月には122社の実施が確認されたことが示されています。
そこで本記事では、バーチャル株主総会をはじめ、企業のさまざまなオンラインイベントのサポートを行ってきたNTTビズリンク株式会社須永 健治に、バーチャル株主総会の実施企業が増えている背景や、実施するメリットを聞きました。
目次
1.バーチャル株主総会とは
2.バーチャル株主総会の開催が増えている背景
3.バーチャル株主総会を実施するメリット
4.バーチャル株主総会の実施に必要な準備
5.バーチャル株主総会を支援する、NTTビズリンクの「マネージド映像イベントソリューション」
1.バーチャル株主総会とは
バーチャル株主総会とは、オンラインで開催される株主総会のことを指します。
一口にバーチャル株主総会と言っても、その開催スタイルは大きく2つに分類することができます。一つは、オンラインのみで開催される「バーチャルオンリー株主総会」と呼ばれるスタイルで、もう一つはオンライン開催とリアル開催を同時に行うスタイルの株主総会です。後者は、「ハイブリッド型バーチャル株主総会」と呼ばれています。
ハイブリッド型はさらに、オンライン参加する株主の取り扱いによって、「出席型」と「参加型」の2種類に分けられます。出席型では、オンライン参加の株主が法律上の出席として認められ、議決権行使が可能です。一方で参加型では、オンライン参加の株主は出席として認められません。そのため、議決権行使ができず、オンライン視聴のみが可能となっています。
2.バーチャル株主総会の開催が増えている背景
―バーチャル株主総会を開催する企業が増えていることには、どのような背景があるのでしょうか。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、リモートワークを導入する企業が増え、Web会議ツールやウェビナーツールといったソリューションが急速に普及しました。結果として、多くの人がオンラインでのコミュニケーションに慣れてきたという印象があります。このことから、従来企業の重大なイベントをオンラインで実施することに対して否定的だった企業においても、ハードルが下がったのではないかと考えられます。
―今後もバーチャル株主総会を実施する企業は増えていくのでしょうか。
そうですね。バーチャル株主総会の開催は、コスト削減を始めとするさまざまなメリットが見込めることから、実施する企業は今後も増えていくことが予想されます。また、最近では、国からバーチャル株主総会の実施に関するガイドラインも公表されています。そこには、実施方法だけでなく他社の実施事例も掲載されています。こうしたガイドラインや他社事例を参考に、『自社でもバーチャル株主総会を開催してみたい』と考える企業は多いでしょう。
3.バーチャル株主総会を実施するメリット
―バーチャル株主総会を開催するメリットについて詳しく教えてください。
先ほど少し触れましたが、やはりコストの削減が見込めることです。オンライン開催の場合、リアル開催と比較してコンパクトな会場で実施することが可能です。そのため、会場費の軽減が見込めます。仮に、リアル開催を並行するハイブリッド型の株主総会を行った場合でも、例えば、『議決権行使ができる株主の方はリアル参加、そうでない株主の方はバーチャル参加してもらう』といった形を取ることができます。
そのほかにも、感染症の予防や、遠方にいる株主も参加できるといったメリットもあります。
―デメリットについても聞かせてください。
万が一の場合には、株主総会が成立しない可能性がある、ということには十分な注意が必要です。例えば、通信障害や機器の不具合などが原因で議決権行使をできる株主が参加できないというケースです。このような場合、株主総会の成立に必要な議決権数が確保できないおそれがあります。
―特にインターネットを利用した場合は、情報漏洩や不正アクセスなど、セキュリティ面にも不安が残るという企業も多いと思います。
そうですね。ですので、オンライン開催をする場合には、先ほど挙げたようなリスクに備えて入念な準備が必要になります。
4.バーチャル株主総会の実施に必要な準備
―バーチャル株主総会には、バーチャルオンリー型・ハイブリッド出席型・ハイブリッド参加型があります。これまでリアル開催のみ行ってきた企業がバーチャル株主総会にシフトする場合、一番実施しやすいスタイルはどれでしょうか。
一番実施しやすいのはハイブリッド参加型だと思います。議決権行使を行う株主の方にはリアル参加、その他の方はオンラインで視聴してもらうという形です。このスタイルではリアル会場で議決権行使が行えるため、先ほどデメリットとして挙げた、株主総会が成立しないというリスクを回避することができます。
もう一つのハイブリッド形式であるハイブリッド参加型では、リアル参加・オンライン参加それぞれの株主の票数を集計しなければならないことから、初めて実施する場合には、ハードルが高いと言えます。
その一方で、バーチャルオンリー型は完全オンラインで行われるため、株主の票数の集計は、ハイブリッド参加型より容易です。まとめると、開催の難易度はハイブリッド参加型が最も低く、次にバーチャルオンリー型、最も難しいのがハイブリッド参加型ということになります。
―実際にバーチャル株主総会を開催するにあたって、どのような準備が必要になるでしょうか。
従来の株主総会には必要のなかったものという観点では、映像配信にまつわる準備が求められます。例えば、ネットワーク環境やカメラ・PCなどの機材の手配です。実施環境によって必要な機材の種類・数が異なるため、手配の際には十分な注意が必要です。
5.バーチャル株主総会を支援する、NTTビズリンクの「マネージド映像イベントソリューション」
―はじめてバーチャル株主総会を実施する場合、どのスタイルが適しているかを判断するためのポイントはどこにあるのでしょうか。
それぞれのスタイルにメリット・デメリットがあるため、一概にまとめることは難しく、やはり個別具体的な対応が重要です。弊社(NTTビズリンク)では、お客さまのご希望を伺いつつ、それぞれの株主総会のメリット・デメリットをしっかりお伝えしています。
それらをご理解いただいた上で、最終的に企業様や株主様にとって最もメリットが高い方式やプラットフォームをお選びいただけるようなご提案を心がけています。バーチャル株主総会の開催をご検討されている企業様は、ぜひ一度ご相談いただければと思います。
NTTビズリンクでは、遠隔地を高品質・高画質でつなぐ「マネージド映像イベントソリューション」をご提供しています。 さまざまな映像イベントのサポート実績によるノウハウを活かし、お客様のご利用用途やご要望をもとに、最適な実施方法をご提案いたします。
イベントの企画から準備、当日のオペレーションまで熟練スタッフがワンストップでサポートいたしますので、株主総会や決算発表、各種説明会、講演、学会などのオンライン実施を検討・予定されている企業・団体様は、お気軽にご相談ください。
また、ビジネスユースのオンラインイベント実施にお役立ていただける資料もご用意しております。ぜひご一読ください。
この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「映像イベント&配信ソリューション」をご提供しております。
所在地:〒112-0002
東京都文京区小石川1丁目4番1号 住友不動産後楽園ビル