「会議場所の確保が要らない」
「移動時間や交通費が削減できる」
「テレワークにも馴染みやすい」
このようなメリットから、Web会議システムは社内向け・社外向け問わず、打ち合わせやイベントなどに幅広く利用されています。
一方で、Web会議システムはインターネットを利用するという性質上、通信の安定性やセキュリティといった点で注意が必要です。特に、企業が社外へメッセージを発信する場となる、バーチャル株主総会やオンライン記者会見などのIR・PRイベントでは、配信上のトラブルが企業のイメージに悪影響を与える可能性があります。そのため、こうした通信の安定性やセキュリティには十分に配慮する必要があります。
そこで本記事では、社外向けのIR・PRイベントのオンライン実施におけるWeb会議システム利用の可否と、実施する上での注意点について解説していきます。
目次
1.Zoom? Microsoft Teams? Google Meet? Web会議システムとは
2.無料版のWeb会議システムで社外向けIR・PRイベントを実施するのは厳しい?
3.イベントのオンライン配信において注意すべき3つのポイント
4.サポート体制が充実した映像配信サービスを選びましょう
1.Zoom? Microsoft Teams? Google Meet? Web会議システムとは
Web会議システムとは、遠隔地同士でインターネットを介してリアルタイムに映像や音声のやり取りを行うためのシステムです。特徴としては、TV会議システムのように専用の機器を必要としないことや、基本的にWebの仕組みを活用するためWebブラウザで使用できることが挙げられます。また、中には専用のアプリを提供しているものもあります。
代表的なWeb会議システムには、あり、多くの場合有料版に加えて、機能やメニューを制限した無料版を提供しています。
無料版の多くはシステムの機能性を紹介することを目的としており、チャット機能や画面共有・ファイル共有・背景変更といった基本的な操作性を実感できる機能を無料で使うことができます。
一方で、同時につなげられるアカウント数や接続できる時間数などに制限があるため、ビジネス・業務シーンで積極的に活用する場合には、有料版を導入することが一般的です。
以下のコラムでは、Web会議ツールとウェビナーツールの違いを解説しています。本コラムと併せてぜひご一読ください。
2.無料版のWeb会議システムで社外向けIR・PRイベントを実施するのは厳しい?
社外向けのIR・PRイベントで利用することを前提とした場合、「接続時間が短い」、「接続可能なアカウント数が少ない」といった点で、無料版での実施は難しいでしょう。
加えて、有料版であっても、多くの場合「セキュリティ対策やサポート体制が十分でない可能性がある」「困ったときに電話する先がない」「日本語・日本環境を理解してないサポートが対応する」といったことから、特に日本企業の場合、ビジネスシーンでの利用には馴染みにくいと言えます。
例えば、通信障害などのトラブルが発生した際に、トラブルに関する通知がされないケースや通信障害であるのにメールで通知のみの通知のため受け取れないといったケースがあります。その場合、トラブルの原因がシステムにあるのか、ネットワークにあるのかを判断することは容易ではありません。
加えて、「サポートはチャットのみ」「海外のオペレーターによる英語での対応」「日本の環境を熟知した人材の不在」といった要素が重なり、迅速で的確なサポートが受けられないケースもあります。
そのため、バーチャル株主総会やオンライン記者会見など、特に重要な社外向けのIR・PRといったメッセージ発信のイベントにおいて有料版Web会議システムの活用を考えている場合には、オンラインイベント配信専門のソリューションの利用も視野に入れて検討することも重要です。
3.イベントのオンライン配信において注意すべき3つのポイント
社外向けのIR・PRイベントでは、投資家や株主、顧客といった、自社にとって重要な関係者がイベントの参加者であることから、企業やブランドのイメージを維持・向上させるためにも、イベントの進行はスムーズに行いたいところです。そこでここでは、イベントのオンライン配信で注意すべき3つの点について解説していきます。
音声・映像の品質
オンライン配信で自社のアピールしたいポイントを明確に伝えるためには、音声や映像の質を高めることが重要です。不鮮明な映像や聞き取りづらい音声ではアピールポイントを十分に伝えられないばかりか、場合によっては参加者の不信感につながってしまいます。
そのため、カメラやマイクなどの機材は、配信会場の規模や設備といったイベントの実施環境に適しているもの、高い音質や画質が提供できるものを選定することが重要です。同時に、機材の設置や操作などを十分にできる人材の手配も必要です。
一方で、参加者側の環境や設定ミスによる音声・映像トラブルも少なくありません。そのため、事前にシステムや機器の設定・接続方法を参加者に十分に案内しておくことが重要です。加えて、問い合わせ用の連絡先を用意しておくことで、参加者の安心につながり、万が一のトラブル発生時にもスムーズに対応することができます。
通信の安定性
オンライン配信では、アクセスの集中や通信機器の不具合などの原因により、通信の遅延や途切れが生じる可能性があります。
そのため、接続機器やネットワークの予備を用意しておき、トラブル発生時には速やかに切り替えることができる体制を整えておくことが重要です。また、安定性・可用性が保証された専用ネットワークを利用することも有効な手段のひとつです。
セキュリティ・プライバシーへの配慮
オンライン配信においては、サイバー攻撃や情報漏洩に対するセキュリティ対策も重要です。加えて、出席型のバーチャル株主総会(※)など、参加者の本人確認が必要なイベントにおいては、なりすましの防止対策も欠かせません。
そのため、ID・パスワードによる認証や二段階認証、配信データの暗号化、IPアドレスのアクセス制限といったセキュリティ対策を行うことで、上記のようなリスクの低減・回避につながります。
また、イベントによっては、参加者の映像を映す必要がある場合もあります。そのような場合には、事前に参加者の承諾を得ておくなど、肖像権やプライバシーへの十分な配慮も必要です。
※出席型のバーチャル株主総会:バーチャル参加した株主が会社法上の「出席」として扱われ、議決権行使や動議の提出などを行うことができるバーチャル株主総会。
4.サポート体制が充実した映像配信サービスを選びましょう
ここまで、解説してきたように、株主や顧客などのステークホルダーに自社の魅力をより細やかに伝えるには、音声・映像品質や、通信の安定性を担保することが重要です。
それらを実現するためには、オンラインでのイベント運営について、ノウハウを豊富に持つパートナーの力を借りることも有効な手段の一つです。専門的な知見を取り入れることで、イベントをより効率的・効果的に実施することができるとともに、自社のリソースをイベントの内容やステークホルダーへのメッセージに集中することができます。
※記載の会社名・製品名は各社の商標または登録商標です。
NTTビズリンクでは、遠隔地を高品質・高画質でつなぐ「マネージド映像イベントソリューション」をご提供しています。 さまざまな映像イベントのサポート実績によるノウハウを活かし、お客様のご利用用途やご要望をもとに、最適な実施方法をご提案いたします。
イベントの企画から準備、当日のオペレーションまで熟練スタッフがワンストップでサポートいたしますので、株主総会や決算発表、各種説明会、講演、学会などのオンライン実施を検討・予定されている企業・団体様は、お気軽にご相談ください。
また、ビジネスユースのオンラインイベント実施にお役立ていただける資料もご用意しております。ぜひご一読ください。
この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして展開している、Communication&Collaboration Solutionsという新たな事業領域の1つとして、「映像イベント&配信ソリューション」をご提供しております。
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