テレビ会議やWeb会議サービスをはじめとするさまざまなコミュニケーションツールの発達により低コストで遠隔地からも手軽に研修に参加できる環境が整いました。人材育成や社員教育、新サービスの説明会や各種セミナーなど、さまざまな用途で活用する企業が増えています。
Web研修に向いている内容や実施のメリットについて紹介します。
目次
1.Web研修とは?
2.Web研修に向いている内容
3.Web研修のメリット
4.Web研修のデメリット
5.Web研修ツールの選び方
6.NTTビズリンクのSmartCast
7.Web研修の注意点
1.Web研修とは?
デジタル大辞泉によると、研修とは「職務上必要とされる知識や技能を高めるために、ある期間特別に勉強や実習をすること。また、そのために行われる講習。」と定義されています。
Web研修とはそれをWeb上で実施し、会場や教室に集まらずにインターネット回線とPCなどを使ってリアルタイムに行う研修のことです。
2.Web研修に向いている内容
Web研修は別名をオンライン研修、遠隔研修とも呼ばれ、遠隔地にいる複数の参加者を結ぶコミュニケーションツールとしてテレビ会議システムやWeb会議サービスが使われます。
テレビ会議(Web会議)ツールには、PCやスマートフォン、タブレットから使えるものと専用機器を用いるものの2種類に分けられますが、音声や動画、資料の共有といった基本的な機能は共通です。特に最近はテレビ会議サービスでも研修に便利な録画配信やインターネット配信機能を持ったものもありますし、Web会議サービスも研修用途に特化した機能を持っているサービスが少なくありません。
Web研修ではさまざまな内容の社内研修実施が可能です。
- 社内システムの説明会
- 新商品の勉強会
- 人材育成、社員教育
- スキルアップに関するさまざまなセミナー
- 新たに制定された法律に関する研修
テレビ会議システムやWeb会議ツールを活用することで、講師の映像と音声がリアルタイムに参加者に共有されることで臨場感のある学習が可能となります。
3.Web研修のメリット
Web研修のメリットはなんといっても参加する場所を問わないという点にあります。Web研修なら通信環境さえ整っていればどこからでも参加できるからです。
また移動する時間を確保する必要がないため、スケジュールの調整もスムーズです。特に多忙なマネージャー(中間管理職等)はスケジュール調整が難しく、参加者が増えるほどに日程合わせが困難になるものですが、Web研修なら研修にかかる時間の調整だけで済むので参加の調整もスムーズで、研修の機会損失を避けられます。
移動しないことにより管理職や社員が現場から離れる時間を短縮できるため、通常業務への影響や不在に伴う損失を最小限に抑えられますし、参加者の交通費、宿泊費、会場利用料などが節約できるため非常に経済的だと言うこともできます。
またテレビ会議(Web会議)ツールには多く種類がありますが、ほとんどのツールが何らかの形で録画機能を備えています。
研修内容を動画として保存できれば、不参加となったメンバーが終了後に視聴する、後日の復習や社員の異動時、新入社員教育コンテンツとして保管するなどの用途にも使えます。また、研修講師の方も何度も繰り返し同じ研修を行う手間が省けて効率化できます。
4.Web研修のデメリット
このようなメリットのあるWeb研修ですが、デメリットについても見てみます。
どうしても向かない研修は実作業を伴う研修です。実務に必要な何らかの身体的スキルを習得する場合や、実際に物を見て触ることでしか伝えられないこともあります。そういう研修はWeb研修では難しいかもしれません。
例えばある工場の仕組みやルール、作業時の注意についてはWeb研修で習得が可能な場合もあるでしょうが、実務としての溶接等の技術をWeb研修で伝えることは難しいでしょう。
いくら講師が細かく作業している様子を高画質の映像で見たとしても、スキルが身につくわけではありません。参加者一人一人が講師の前で実際に作業を行い、具体的なアドバイスを受けながら繰り返し練習するなど、リアルな研修を行う必要があります。
言語化できない情報や、身体的学習が必要な情報は映像や音声だけでは伝達できません。
また参加者が一同に会するという機会は全員の一体感を醸成し、モチベーションアップにも繋がる側面があります。特に新しいプロジェクトのキックオフや、新入社員同士の交流も期待できる研修などは、たとえWeb研修が可能でもリアルに実施したいこともあるはずです。
Web研修の場合、PCなどの通信機器の前に座っているだけなので参加者との一体感向上はリアルな研修より難しい部分があります。
参加者全員が同じ時間・同じ場所に集まるのは非常に実現コストが高いですが、その場にいるからこそ伝わる情報もあります。
これら2点がWeb研修のデメリットですが、参加者のモチベーションアップや一体感醸成には別の機会を設けるなどして研修の目的と切り離して考えると良いかもしれません。
5.Web研修ツールの選び方
Web研修に使えるツールはWeb会議サービスやテレビ会議などさまざまです。
両者は遠隔地とリアルタイムで映像・音声を共有する点において共通の機能をもっているため、どちらもWeb研修用途に使えますが、ある程度違いもあります。
Web会議サービスは多くの場合、チャット機能や挙手機能(発言をしたい人が挙手して発言したいことを主催者に伝える機能)などを備えていますので、映像と音声だけでない、より幅広いインタラクティブ性を持っていると言えます。また、ウェビナー機能といって研修やセミナーなどの開催に特化したオプションを持っているサービスもあります。
これに対してテレビ会議システムの場合、そもそも基本的には専用機器が必要で初期投資が必要な面はありますが、カメラ性能がよく、カメラのパン・チルト・ズーム機能なども充実しているため、より臨場感のある研修実施が可能です。また多くの場合テレビ会議システムは自社の専用ネットワーク上で構築されるため、回線が安定して使えるという大きなメリットもあります。
自社の考えている研修の在り方、利用する機器、全社員向けに利用するのか、拠点や支店単位の参加になるのか、一時的なのか恒常的なのかなど、状況にあわせて最適なツールを選択しましょう。
6.NTTビズリンクのSmartCast
Web会議サービスの持つ安価に多拠点に配信できる機能、テレビ会議システムの持つ安定性や操作性が両立できれば、Web研修にとって有力なツールとなります。NTTビズリンクのテレビ会議サービス“SMART”のオプションメニュー“Smart Cast”をご紹介します。
参考:SMART Communication & Collaboration Cloud | NTTビズリンク
NTTビズリンクのSMARTは、テレビ会議システムはもちろん、PCやタブレット・スマートフォンからもアクセスできて、Microsoft Teamsなどの他社サービスとも接続ができる拡張性の高いサービスです。
※Microsoft Teamsは米国 Microsoft Corporation およびその関連会社の登録商標または商標です
そのオプションメニューであるSmart Castを使えば、テレビ会議システムでの映像・音声のコミュニケーションを、手軽にインターネット上に片方向で配信することが可能です。受講者はインターネットに接続されたPCやスマートデバイスさえあれば、URLクリックやQRコードを利用し簡単にアクセスして視聴できます。
このSmart Castを活用してWeb研修が可能です。講師は安定して繊細なカメラ操作が可能なテレビ会議システムを利用し、研修受講者はPC等でアクセスして受講できます。
双方向でのインタラクティブ性が必要なWeb研修は、同じくSMARTのオプションであるWebRTC接続機能を併用すれば、PCのブラウザーからアクセスして双方向で映像・音声のやり取りも可能ですので、研修の参加人数や用途により使い分けることが可能です。
7.Web研修の注意点
特にインターネットを使ったWeb会議ツールでWeb研修を行う場合、インターネット回線の速度が遅い環境から参加していると音声の途切れが発生したり、最悪は切断されてしまうこともあります。
社内から多くの社員が同時にアクセスする場合は特に注意が必要です。社内ネットワークからインターネットへ抜ける帯域には当然限りがあります。動画をリアルタイムで言って時間受信し続けるWeb研修はネットワーク帯域を多く使うため、あまりに多くの社員が同時にアクセスしてしまうと、インターネットへの出口がボトルネックとなって品質低下してしまう恐れがあります。また、研修の品質低下だけでなく、同じネットワークを利用している他業務への悪影響も考えられます。
Web研修を導入する場合は、必ず社内のネットワーク管理者に事前に照会をかけ、どの程度のネットワーク利用であれば許容できるか相談しておきましょう。また、ツールの提供ベンダーにもネットワーク要件を事前に確認してください。要件によってはネットワーク増強を社内で依頼する必要があるかもしれませんし、Web研修の同時参加者数に制限を設けるなどの対処が必要となる場合があります。
利用するツールだけでなく、ネットワークやインフラ側にも目を向けて、ぜひ安定した実りあるWeb研修を成功させてください。
この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして、Communication&Collaboration SolutionsとData Center Integrated Solutionsという新たな事業領域のビジネスを展開しています。
所在地:〒112-0002
東京都文京区小石川1丁目4番1号 住友不動産後楽園ビル
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