
新型コロナウイルス感染拡大によるリモートワークの広がりを受け、業務上のやり取りにWeb会議などの映像コミュニケーションツールを取り入れる企業が急速に増えつつあります。
一方で、Web会議システムには多様なサービスが存在しているため、「どのサービスを選んだら良いのか」と迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本コラムでは、主要なWeb会議システムの1つとしても使われているMicrosoft Teamsを取り上げ、Web会議で利用する場合のメリットやデメリットとともに詳しくご紹介します。
Microsoft Teamsの特徴と機能を紹介

Microsoft Teamsは、Microsoft(マイクロソフト)が提供するコミュニケーションプラットフォームで、PCはもちろんiOSやAndroidを搭載したスマートフォン・タブレットでも利用可能です。
Web会議機能のほかチャットやファイル共有など、業務におけるコミュニケーションに必要な数多くの機能が備わっているため、リモートワークの業務効率化に大変効果的です。
例えば社内外問わず最大10,000人が参加できるストリーミング機能の特性を利用してMicrosoft Teams上でライブイベントを開催したり、ホスト以外の参加者同士で電話会議を行ったりと、自由度の高さがMicrosoft Teamsの魅力です。
上記のほかにも、Microsoft Teamsにはユニークな機能が存在します。おすすめの機能として、ここでは「ホワイトボード」機能と「会議記録・メモ共有」機能について解説します。
リアルタイムに共有される「ホワイトボード」
Web会議中は自社のサービス資料や営業資料を取引先に見せたり、上長へプレゼン資料の確認を求めたりと、資料の画面共有が必要となるケースは珍しくありません。
そのため、画面共有機能は多くのWeb会議システムに搭載されています。一方で、より効果的な解説のために「リアルタイムに書いた文字や図版を共有したい」と若干の不便さを感じたことのある方も多いのではないでしょうか。
「ホワイトボード」は、その名のとおりホワイトボードを画面共有することで、こうした課題を解消する機能です。解説や図画などペンで書いた内容をリアルタイムに共有できるだけでなく、Web会議の参加者による共同編集も可能です。遠隔地にいてもチームで1つの作業に取り掛かれるため、商品の細かな仕様の変更など文章や音声では伝わりにくい部分もストレスなく議論できるでしょう。
ホワイトボードはWeb会議終了後も閲覧したり編集したりできることから、ブレインストーミング などを行う際の備忘録としても効果的です。
会議記録をスレッドに保存して議事録がわりに
Web会議システムの中には、会議の録画データや録音データ、チャット内容などをそのままデータとして保存しておけるものも少なくありません。
これらのデータは議事録代わりに活用できるため、議事録作成に関連する業務負担を軽減する機能としても有効です。
ただし、こうした議事録データの保管方法については課題が残ります。担当者ひとりに保管を一任していた場合、保管場所がわからずに、その人が休暇の際に素早く情報を閲覧できなかったり、さらには休職や離職などによってデータの保管先が分からなくなってしまうケースもありえます。
その点、Microsoft Teamsでは保管しておきたい各種データを「会議スレッド」にアップロードしてまとめておくことが可能です。会議スレッドを社内共有するだけで、「データの保存先が分からない」といったトラブルを防ぐことができます。
Web会議としてMicrosoft Teamsを利用するメリット・デメリット

前述したMicrosoft Teamsの各種機能を活用することにより、企業は多くのメリットを得られます。業種・職種問わず当てはまるものをあげると、以下のとおりです。
- 意思決定スピードの高速化
- リモートワーク中でも活発なコミュニケーションが可能
リアルタイムでの画面共有と共同編集機能は効率良くアイデアを出し合えるうえ、意思決定スピードを早めてくれます。
その場に決定権を持つ上長が参加していなくとも、保存したホワイトボードのデータなどを見せることで会議中の決定内容をダイレクトに伝えることもできます。録画データなどを活用すれば、あらためて議事録を作成しなくとも欠席者への内容の共有が可能です。
同じオフィス内に集まっているときに近い感覚でリアルタイムでのやり取りができ、さらには資料や録画データの保管もできることから、リモートワーク中であっても直観的で活発なコミュニケーションを行うことができます。
一方で、注意すべきデメリットとして以下の点があげられます。
- 接続状況によっては音声や映像トラブルの可能性がある
- インターネット環境が原因の遅延・切断の可能性もある
- コストの問題が起こることもある
Microsoft Teamsに限らず、インターネット回線を使用するWeb会議システム全般の特徴ですが、回線品質などによってはスムーズに利用できない場合があります。
特に注意が必要なのは、聞こえにくい・声が途切れるなどの音声トラブルや、Web会議システム自体が反応の遅延や通信切断してしまうケースで、利用する側にとって大変大きなストレスになります。
また、コストの面でも注意が必要です。具体的には、初期費用はもちろん、ランニングコストも確認しておくことが欠かせません。アカウント数(利用者数)に応じたMicrosoft Teamsの利用料もそうですが、社内ネットワークの増強など、利用開始後に追加コストが必要になる場合があります。
Microsoft Teamsの場合、一部機能を制限した無償版も提供しているため、まずは無償版で自社の業務や従業員との相性を見たうえで有償版に切り替えるなども検討すると良いでしょう。
テレビ会議システムを併用することで、デメリットを解消!

このように、Microsoft TeamsをはじめとするWeb会議システムは、利便性が高い一方でデメリットもあるため注意が必要です。
特にテレビ会議システムを長く使ってきた企業の場合、使い勝手や品質などへの不安からMicrosoft Teamsへの移管を躊躇している方も多いことでしょう。そんな方にはMicrosoft TeamsのWeb会議単独ではなくテレビ会議システムとの併用をおすすめします。
テレビ会議システムは回線やセキュリティ(ファイアウォール・PIN(暗証番号)・アクセス制限・権限設定など)を要望・予算に合わせてカスタマイズできることから、社内ネットワークを利用した安定性の高い通信のもと品質の高い映像コミュニケーションを行えます。
従来から慣れ親しんだ操作性もあり、特に役員の出る重要会議や広い会議室で多人数が参加する場合にはテレビ会議システムのほうが望ましいと考える企業もいらっしゃいます。
NTTビズリンクでは、テレビ会議システムとMicrosoft TeamsのWeb会議機能を相互接続して利用可能な企業向け映像コミュニケーションサービスを提供しています。『Web会議接続(M)』というオプションメニューをご利用いただくことで、従来型のテレビ会議システムとMicrosoft Teamsがシームレスに接続できます。
リモートワーカーはMicrosoft Teamsを活用し、オフィスや会議室などの参加者は社内のテレビ会議システムを利用して安定した品質で参加するなど、柔軟な利用に対応しています。
オンプレミスで構築した従来のテレビ会議システムなどの資産を無駄にせず活用できるため、Microsft Teamsとの連携により更に社内コミュニケーションを活性化したいと、多くのお客さまから相談をいただいております。ご興味がある方はぜひお問い合わせください。
また、テレビ会議システムとWeb会議システムについて、選び方を詳述したダウンロード資料も用意しています。ぜひこちらもお役立てください。
※本記事に記載の商品名、サービス名は各社の登録商標または商標です。
この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして、Communication&Collaboration SolutionsとData Center Integrated Solutionsという新たな事業領域のビジネスを展開しています。
所在地:〒112-0002
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