新型コロナウイルスの感染拡大以降、テレワーク時のコミュニケーション手段の1つとして、企業ではWeb会議システムが急速に浸透しつつあります。
しかしWeb会議システムを導入した企業の中には、「効果的に活用できなかった」という事例も少なくありません。多くの社員や幹部が毎日多くの会議やコミュニケーション、重要な意思決定で使うWeb会議システムですから、導入はぜひとも成功させたいものです。
そこで本コラムでは、Web会議システム導入時によくある失敗事例を3つピックアップして解説していきます。
Web会議システム導入時によくある失敗事例3選
社内の利用者が増加し、社内のインターネット回線がパンクした
Web会議システムの通信は、一般にインターネット回線を利用して行われます。そのため、たとえばインターネット回線の通信速度が遅い場合には、音声や映像などに支障が出てしまい、スムーズなやり取りが困難になるケースもあります。
また、仮に一人や少人数での利用であれば回線への支障がない場合でも、社内で多くの人が同時にWeb会議システムを利用してしまうと、インターネット回線が圧迫されてしまい、映像や音声のやり取りが正常にできなくなることがあります。
さらにこのような場合、社内ネットワークからインターネットへの出口の回線がひっ迫してしまい、Web会議システムだけでなく、ほかのインターネットを用いる業務ツールにも動作支障が出てしまうため注意が必要です。
実際に「安定した通信状況を維持するため、音声のみのコミュニケーションを社内ルールなどで強いられた」という経験のある方も多いのではないでしょうか。これでは、Web会議システムを利用するメリットが十分に発揮されず、本末転倒となってしまいます。
解決策としては社内網やインターネット回線の増強があげられますが、その場合には当然ですが追加コストについて検討する必要があります。
社内の利用者が増加し、ランニングコストが高額に
Web会議システムは、有料のサービスと無料のサービスの2タイプに分類することができます。このうち無料で利用できるWeb会議システムは機能などに一部制限があり、有料版の「トライアル」的な位置づけで提供されているケースが多いです。
一方、有料で提供されているWeb会議システムの多くは、アカウント数に応じた月額払いの課金制となっています。契約するアカウント数が多ければ多いほどランニングコストが高額になっていく仕組みです。
このような事情から、少人数でWeb会議システムの運用をスタートした企業において、利用者の増加に伴って登録アカウント数が増えた結果、当初想定していたよりもランニングコストが高額に膨れ上がってしまったというケースが少なくありません。全員が同時にWeb会議システムを利用するわけではなくても、利便性やアカウント使いまわしの防止などを考えて全社員分のアカウント契約をするケースも多く、その場合どうしてもコストが高額になります。
トライアルを実施する段階から、全社導入した場合のコストをシミュレーションしていくと良いでしょう。
社内にお問い合わせ窓口がなく、結果として普及しなかった
多くのWeb会議システムは、初めて利用する方にとっても親しみやすいUIデザインが採用されています。それでも「相手の声が聞こえない」「映像が出ない」「カメラ・マイク・スピーカーがうまく接続できない」といったトラブルの経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
企業に新しいシステムを導入する際、社内の情報システム部門などがこのようなトラブルの窓口として対応するケースが一般的です。しかし専用の部門や窓口を設定していない企業では、トラブル時の対応が十分にできず、結果的に継続利用することを諦めてしまう従業員も見受けられます。
また、情報システム部門を窓口として設置している場合も、相談件数が増加すれば時間や人員がWeb会議システムの対応に割かれてしまい、本来の業務に手が回らなくなる可能性があります。
システムによってはトラブル時の対応を直接ベンダーの窓口へ問い合わせることもできますが、特に海外プロバイダー製品の場合には即時解決につながらない可能性があるため、注意が必要です。
製品によっては、お問い合わせ窓口自体が設置されていないケースや、窓口がメールのみに限定されているケースがあります。また、サービスそのものの使い方については窓口で対応してもらえる場合でも、PCや周辺機器のトラブルは対応範囲外として断られるケースも見受けられます。
結果として、PCの扱いに強い一部の従業員がWeb会議システムを活用しているのみで、社内に普及するまでには至らなかったという例も少なくありません。
テレビ会議システムの活用で課題を解決!
このように、Web会議システムの導入時には、さまざまな課題が生じることがあります。そして、こうした課題を最小限にできるソリューションの1つとして検討できるのが、テレビ会議システムです。
テレビ会議システムとは、専用機器・ネットワークを利用することで映像を伴う通信が可能なコミュニケーションツールです。PCでなく専用機を設置して用いるため利用端末数をコントロールしやすく、社内回線の許容範囲を計算しながら企業毎にオリジナルの設計ができるため、Web会議システムに比べて社内ネットワークやインターネット回線への負荷についても計算がしやすくなります。それにより、他ツールに支障をきたすおそれもなく、高い品質と安定性のあるやり取りを実現できるのです。
テレビ会議システムのコスト面に課題を感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、専用機器一台を会議室に設置して共用するため、社員数の多い会社の場合は、全従業員にアカウントを作成する従量課金制のWeb会議システムよりも割安で利用できる可能性もあります。ここは自社の働き方と照らしながら検討すると良いでしょう。
また、トラブル発生時も、契約次第でハードウェア関係の問題を含めて提供ベンダーに対応してもらうことも可能です。特にハードウェアの交換・修理を保守契約でベンダーに一任できますので、管理部門の手間も大きく軽減できます。
このような特長を持つテレビ会議システムとWeb会議システムの両方を組み合わせて活用することで、よりスムーズかつセキュアなコミュニケーション体制を構築することができるようになります。
NTTビズリンクでは、テレビ会議システムとWeb会議システムをミックスして利用可能な企業向け映像コミュニケーションサービスを提供しています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
テレビ会議システムとWeb会議システムについて、選び方を詳述したダウンロード資料もご用意していますので、こちらもぜひ、あわせてご覧ください。
この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして、Communication&Collaboration SolutionsとData Center Integrated Solutionsという新たな事業領域のビジネスを展開しています。
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