コミュニケーションの密度は情報量の多さに比例します。テキストのみでのコミュニケーションよりも音声での通話の方が自由に会話できますし、映像により相手の表情が見えれば、細かなニュアンスも読み取りやすくなります。さらに音声や映像による通話と同時に、PCの画面共有を行って説明が出来ればよりクオリティの高い、ビジネス利用にふさわしいコミュニケーションが可能となります。
本稿ではPCの画面共有について解説します。
目次
1.PCの画面を共有するとは?
2.PCの画面共有のメリット
3.PCの画面共有が必要となる場面と方法
4.画面共有を活用してより良いコミュニケーションを
1.PCの画面を共有するとは?
Web会議ツールやテレビ会議システムの標準的な機能の一つで、自分のPCに表示された画面や起動しているアプリケーションの画面を離れた拠点にいる相手の画面に表示させることができます。
画面共有はリアルタイムで可能です。画面を送っている側がPowerPointやPDFの資料をめくったり、カーソルを動かしたりするとそのまま相手の画面にも反映されます。
スマートフォンを有線または無線でローカルのPCモニタやテレビに接続して、画面を表示させる機能もありますが、こちらはミラーリングと呼ばれて画面共有とは区別されています。画面共有はあくまで離れた場所にいる相手に自分のPCなどの画面を見せる機能を指します。
2.PCの画面共有のメリット
画面共有を使いこなすことで得られる主な4つのメリットをご紹介します。
1つめは距離的メリットです。
PCの画面共有をすることで遠隔地にいる相手とリアルタイムで密度の高いコミュニケーションが取れますので、対面での会議や打ち合わせが内容によっては不要になり、移動に伴う交通費や宿泊費のコストを含めて大きく経費を削減できます。
2つめは時間コスト低減のメリットです。
同様に、遠隔地からリアルタイムに密度の高いコミュニケーションが取れるということは、移動にかける時間をゼロに出来ます。経費のメリットより、この移動にかかる時間の削減こそが最も効果的に感じる方も多いようです。時間さえ合わせれば直前まで別の仕事や打ち合わせを実施できますので非常に効率的です。
3つめは説明精度向上のメリットです。
相手と同じ画面を見ながら会話が出来るので、電話では不可能な詳細な打ち合わせをするのに役立ちます。
特に業務ツールなどの操作方法説明を行うのに向いています。テキストだけのマニュアルよりも動画マニュアルの方が分かりやすいと感じることも多いですが、リアルタイムで操作しながら説明し、その場で即座に質疑応答をすることでより一層分かりやすい説明が可能となるでしょう。
実際に現場に足を運んで担当者と一緒に操作しなければ伝わらなかった内容が、画面共有を活用すれば遠隔地からでも簡単に伝えることができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
そして最後のメリットは安心感です。
説明のために相手が電車や飛行機で移動しなくてはいけないといった具合に、コミュニケーションにかかるコストが高いと、説明に来てほしくても依頼を躊躇してしまいがちです。その結果、作業品質の低下や、効率ダウンの可能性があります。
距離的・時間的制約に縛られず十分な説明を受ける機会があることは、利用者にとって大きな安心感をもたらします。いつでも気軽に十分な説明を受けられることから、より積極的なコミュニケーションを促すことができるのも魅力です。
PCの画面共有は、実施することで普段のコミュニケーションを簡単にクオリティ高くできる非常に便利なテクノロジーです。是非活用してみてください。
3.PCの画面共有が必要となる場面と方法
以上のメリットを踏まえた上で画面共有が特に便利に使えるのは主に下記のシーンです。
● 会議
● 打ち合わせ
● プレゼンテーション
● セミナー
● ツールの操作説明会
テレビ会議やWeb会議の際に画面共有機能がなければ、資料を表示するのにわざわざプリントアウトしたものをカメラで撮影しながら注目箇所を指示する必要があります。
画面共有があれば、簡単な操作で資料の表示画面に切り替えればよいだけです。PCのカーソルで注目箇所を強調できます。これは打ち合わせやプレゼン・セミナーでも同様です。
また社内ツールなどのWebツールやアプリの操作説明には画面共有が欠かせません。例えば社内のIT管理部門が何らかのツールの操作説明をする際、画面共有しながらリアルタイムで動かしてみせれば、遠隔地の社員にも詳細な説明ができます。
もし画面共有ができなければ、あらかじめ詳細なフロー図付きのマニュアルを作ったり 、動画撮影などをしたりしておく必要があります。しかもテキストにしても動画にしても、マニュアルにはリアルタイム性がありませんので、配布後に必ず不明点の確認や質問を受けることになるでしょう。
1対1で行う電話でしか遠隔地とのコミュニケーション出来るツールが無かった時代に操作説明をするのなら、逐一、口頭で手順を追うやり方しかありませんでした。しかも個別に対応です。
しかし、テレビ会議やWeb会議の画面共有なら、多くの場合同時に複数の相手にリアルタイムで操作を見せながら説明ができます。聞く側に疑問が生じてもその場で解決でき、その解決方法は参加している全員に共有できますのでとても効率的です。
PCの画面共有機能を持つツールには大きく分けて2通りあります。
Web会議ツール
低コストで簡単に画面共有をする場合、各種Web会議ツールが便利です。
Web会議ツールの場合、機能は限定されるものの無料で入手または利用できるものも少なくありません。サービスによってはPCにインストールしてセットアップするだけで簡単に使えます。各社のWeb会議サービスにはそれぞれ特長がありますので、画面共有を誰と何のために行うかによってツールを選ぶと良いでしょう。
Web会議ツールを使う場合注意するべきポイントは、参加者が使っているPCのスペックや通信環境に品質が左右される点です。
同じツールを使っているにもかかわらず音がずれる、音が出ない、画面が粗くて見づらい、そもそもつながらないといったトラブルが発生するのは珍しいことではありません。
これはPC環境と通信環境がそれぞれ使う人によって統一されていないことが原因となる場合が多いです。利用者がそれぞれのPCと回線を使っているので、問題が発生した際の対応もケースバイケースとなり、切り分けも困難になる場合があります。
全員が高速なインターネット環境とハイスペックPCを使っているわけではありません。共有の無線ネットワークで低速になっている参加者や、古くてスペックの落ちるPCを使っている人もいるでしょう。
また、もう1つ無視できないデメリットとして、サポートが限定的である点も挙げられます。これら多くの無料Web会議ツールは広く全世界的に使われています。無料で利用者が多いツールは誰にでも使えるように設計されている反面、何か不具合が起きた際に個別に対応してもらうことは困難です。
ヘルプページやメールによるサポート窓口があっても、リアルタイムに今起きている症状をすぐに直してもらえるわけではないため、解決するころには会議が終わってしまっていることもあるかもしれません。
テレビ会議システム
Web会議ツールとは違い、専用のハードウェアを使い映像コミュニケーションを行うのがテレビ会議システムです。専用ハードウェアはさまざまなメーカーから販売されており、一般には初期投資が必要なオンプレミス型ですが、中にはレンタルでの提供を行っている事業者もあります。専用ハードウェアが必要なため、無料で簡単に試してみるというわけにはなかなかいきませんが、Web会議ツールの欠点を補う大きな利点があります。
テレビ会議の場合、目的に特化した専用ハードウェアを用い、一般にネットワークも安定した社内ネットワーク上に設置されることが多いため、通信品質が安定します。また、多くの場合、メーカーや販社、サービス事業者が法人用にサポート窓口や保守サービスを用意していることが多いため、加入していればトラブル発生時や、利用方法に不明点があった際にもすぐにサポートを受けられる点は大きなメリットだと言えます。
テレビ会議システムには国際標準規格がありますが、画面共有用の規格の一つとしてH.239 という規格が定められています。市販されている各メーカーのテレビ会議システムの多くがこのH.239のプロトコルに対応していますので、異なるメーカーの機種間でも問題なく資料や画面の共有を行うことが可能です。当然、画面共有を行いながら、映像・音声のやり取りがリアルタイムに行えますので、資料を皆で確認しながら質の高いコミュニケーションを行うことができます。
さまざまなメーカー機種に対応できる反面、一部のWeb会議サービスが対応しているような相手画面の書き込みや共同作業までは対応できず、あくまでPC画面をプレゼンターが参加者に見せるのみとなります。通常の会議には問題ありませんが、細かな共同作業を行う場合などは機能が十分でない場合もありますので、目的に応じた方法を検討すると良いでしょう。
4.画面共有を活用してより良いコミュニケーションを
ここまで見てきた通り、画面共有機能をフルに活用することで、実際の対面会議に劣らない密度の高いコミュニケーションが可能となります。目的に応じて最適な方法を検討いただき、オンラインでのコミュニケーション活性化にお役立てください。
この記事の執筆監修者情報
監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社
NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。
その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして、Communication&Collaboration SolutionsとData Center Integrated Solutionsという新たな事業領域のビジネスを展開しています。
所在地:〒112-0002
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