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【テレビ会議】SI型とASP型を比較!それぞれの特長まとめ

テレビ会議システムの導入方法における大きな違いの一つにあげられるのはSI型とASP型です。システム選びの前にそれぞれの特長について把握しておきましょう。

 

 目次
1.テレビ会議システム導入におけるSI型とASP型とは?
2.コスト面からの比較
3.メンテナンス面からの比較
4.ネットワーク面からの比較
5.セキュリティ面からの比較
6.導入スピード面からの比較
7.カスタマイズ面からの比較
8.SI型とASP型それぞれの導入事例まとめ

1.テレビ会議システム導入におけるSI型とASP型とは?

多くの企業がテレビ会議システムやサービスをリリースしていますが、提供の形態を大きく分けるとSI型とASP(クラウド)型に分類できます。

 

SI型のSIとはSystem IntegratorもしくはSystem Integrationの略称で、設備をすべて利用する自社で構築するタイプです。オンプレミス型(on-premises)と呼ばれることもあります。

 

これに対して、ASP型のASPとはApplication Service Providerの略称で、自社で設備を持たずにクラウドに設置されたサービスやツールにアクセスして使います。契約料・月額使用料と支払うことでIDなどを発行してもらってテレビ会議や電話会議システム・サービスにログインして利用します。

 

SI型とASP型にはそれぞれ特長があり、必ずしもどちらかが優れているというものではありません。下記のチャプターで項目ごとに比較しますので、検討されるうえでの情報整理にお役立てください。

2.コスト面からの比較

テレビ会議システム導入において考慮すべきコストには大きく2種類あります。設備自体にかかる費用と、その維持費です。SI型の場合は設備(テレビ会議システム本体やサーバー類)を自社で購入して使用するため、設備の初期導入費用が必要です。一般的にテレビ会議システムや電話会議システムなどの設備は資産として計上して、減価償却する必要があります。

 

自社として資産を増やしたくない場合にはリース契約を結ぶケースもありますが、自社内のデータセンターやサーバー室などの設備にテレビ会議システムや電話会議システムを設置する点は変わりません。

 

これに対して、ASP型はクラウドにアクセスしてそのサービスを利用する権利に対し課金され、利用料を支払う形態です。一般に大きな初期投資は不要で、費用は通信費などに計上されるため、資産計上の必要がありません。SI型における初期の設備導入費用に比べれば多くの場合少額で済むため、イニシャルコストを抑えたい場合はASP型に利があると言えます。

 

ただし、維持費またはランニング費用は別に必要です。設備を自社で持っているSI型の場合、維持費は保守契約やメンテナンスなどに必要なサービス費用だけで済みますが、ASP型は利用し続ける限り契約内容や規模に応じた利用料を払い続ける必要があります。

 

ASP型の場合、毎月のテレビ会議の回数や時間、アクセス可能な端末・アカウントの数によって月額費用が決定されます。契約条件次第ですが、一般的にはASP型の方が毎月の維持費は高くなる傾向があります。

 

一般的にはイニシャルコストはASP型が安く、月額費用(維持費)だけを比べるのならSI型の方が安くなることが多いと言えます。

 

利用頻度によって初期投資費用分を維持費の差額が上回り、システム費用総額が逆転することもありえるので、短期間のお試しやスモールスタートを考えているなら、契約条件を変更しやすいASP型の方が柔軟でお得に利用できると言えます。一方で、自社のテレビ会議利用ニーズが明確で、頻度や利用する端末数などがある程度はっきりしている場合は、SI型で最適な設計・構築をすることで、総額を下げることもできるでしょう。

3.メンテナンス面からの比較

設備のメンテナンスに関しては契約内容をしっかりと自社の状況にあわせて検討することが重要です。ASP型もSI型も契約内容に保守やメンテナンスの契約が含まれていることがほとんどですので、サービスやシステム提供企業の窓口に相談可能です。ただし、機器の保守やメンテナンスなどは対応してくれても、機器の使用方法の説明など利用者のサポートとなるとマニュアル提供のみで必ずしも十分でない場合や、一部登録者からのお問い合わせしか対応しない、対応はメールのみなどの条件となっていることもありますので、内容についてはSI型でもASP型でも契約締結時に十分に確認するとよいでしょう。

4.ネットワーク面からの比較

SI型の場合、自社で保有するVPN(Virtual Private Network)を構築して、限られた場所や端末、メンバーだけがアクセスして利用できるクローズドな環境を作ることが多いですが、ASP型の場合はシステムがクラウド上にあるため必然的に公衆網であるインターネットを経由してアクセスする形のサービスが一般的です。

 

こういったインターネット上のサービスの場合は、テレビ会議・電話会議システム提供事業者のサーバーにアクセスが集中した場合に、動作が不安定になることがあります。

 

自社VPNを利用して構築するSI型の場合、テレビ会議に参加できる場所に制限がある反面、通信品質がある程度コントロールでき、安心して利用できます。インターネット上のASP型は、どこからでもアクセスできる代わりにアクセス集中時の通信品質劣化のリスクがありえますので、自社要望にあわせてそれぞれのメリットとデメリットをしっかり検討すると良いでしょう。

 

ASP型サービスでも自社で保有するIP-VPNでのアクセスに対応するサービスもあり、そういったサービスなら品質のコントロールも可能ですし、SI型でインターネットからのアクセスを許容する仕組みを構築ことも可能です。用途や求める品質に合わせて検討しましょう。

5.セキュリティ面からの比較

ネットワーク面と非常に関係が深いのがセキュリティ面です。SI型のテレビ会議システムを自社VPN内で運用するのであれば、外部アクセスを遮断して完全にクローズドに構築・運用が可能なためセキュリティを強固にして利用することが可能です。

 

インターネット上で利用するASP型の場合は、どこからでも接続できるという利便性には優るものの、どうしてもセキュリティ面では自社VPNで利用するSI型に比べるとコントロールが難しいでしょう。外部の誰かにID・パスワードなど接続に必要な情報が漏洩すれば不正にどこからでもアクセスされてしまう危険があるからです。パソコンの持ち出しやアカウントの管理、万が一の場合の対応には細心の注意を払う必要があります。

 

また、クラウド上のテレビ会議サービスや電話会議システム本体のセキュリティは運営会社に一任されます。これは自社で管理する手間を省いてくれるのでSI型に比べ担当者としては非常に便利ではありますが、抵抗感を感じる企業もあると思います。

 

セキュリティと利便性は相反することがあり、両立させるためには自社として必要な機能とセキュリティレベルのバランスをしっかりと検討する必要があります。自社の用途・目的にあわせてどちらに比重をおいて運営するか選択しましょう。

6.導入スピード面からの比較

導入スピードに関しては、ほとんどの場合、設備投資不要のASP型に軍配が上がります。利用に必要なIDとパスワードなどを発行してもらえばクラウド上のシステムにアクセスできるため、とにかくすぐに利用開始したい場合はASP型を選ぶべきです。

 

また、ASP型は契約内容の変更や規模の増減・解除にも柔軟なサービスが多いため、短期間だけ試してみる用途にも向いています。

 

SI型の場合はどうしても自社にサーバーを設置してテレビ会議システムや電話会議システムを構築する必要があるので、即座に使えるようにはなりません。設計や構築、搬入スケジュールの手配や屋内配線など物理的な作業が多いので、急遽利用を開始したい、会議を開きたい場合には向いていないと言えます。

 

また、一度導入してしまえば、減価償却が済むまではなかなか容易にはほかのシステムに移行できない面もあり、新しい技術が出てきても導入できないといったデメリットも生じます。SI型の選択をするのであればどういった内容・規模で導入するか慎重に考えましょう。

7.カスタマイズ面からの比較

一般的にカスタマイズの面ではSI型の方が自由度が高いと言えます。契約形態やどの程度のカスタマイズを行うかにもよりますが、システム自体を自社専用で利用でき、個別対応するための設定項目やパラメーターを豊富に持っていますので、自社にとって使いやすい仕様にするのならSI型が適切なケースが多いでしょう。

 

この時注意すべき点は導入前の綿密な提供者側との打ち合わせです。求める機能とコストを入念に検討しましょう。大きな初期投資が必要な分、一度導入してしまうと簡単には方向転換が出来ません。SI型の場合は長期利用が前提となっているため、事前の仕様決定が最重要と言えます。

 

ASP型の場合はクラウドに設置されたツールに自社以外の利用者もアクセスしているため、基本的には画一的なサービスが提供されています。オプションであらかじめ準備されている機能を追加することは出来ますが、多くの場合、自社の都合に合わせたカスタマイズには対応していません。

 

多くの場合、提供企業側は契約者毎にサーバーを準備しているわけではないので、特定のユーザーしか使用しないようなカスタマイズした機能は盛り込めないのです。

8.SI型とASP型それぞれの導入事例まとめ

最後に具体的な導入事例について紹介します。まずはSI型の特長を活かした選択をしたソフトウェアメーカーの例です。

 

この会社は国内だけでなく複数の海外関連会社とのテレビ会議が必要となりましたが、先にコストがかからないWeb会議システムやASP型のシステムで試験運用した結果、インターネットベースのサービスでは遅延や音声の途切れが発生して、プレゼンテーションや動画資料の共有機能も不十分であることが分かりました。

 

そこでカスタマイズ可能なSI型のテレビ会議システムメーカーに相談して、自社用にカスタマイズしたシステムを導入しました。

 

日本の本社にはテレビ会議システムのサーバーを設置して、国内・海外拠点からアクセスを集約することで遅延や音声の途切れの問題をクリアし、合わせて自社ユーザーが望む資料共有機能のカスタマイズも行ったのです。

 

先に導入までのハードルが低くコストのかからないWeb会議システムやASP型を試すことで自社内のニーズを吸い上げ、そこで得た知見をカスタマイズ可能なSI型テレビ会議システムメーカーと相談して実現しました。

 

SI型の場合はまとまった予算が必要になります。ASP型をうまく試験的に活用しながら自社の環境を考え少額のコストで運用してから、必要に応じて設備投資に踏み込んだ良例です。

 

ASP型の導入については、ある製薬メーカーの例が良いでしょう。この製薬メーカーはすでに国内15拠点をSI型のテレビ会議システムで結んでいましたが、設備の老朽化からリプレイスを検討します。

 

しかし、15拠点分の設備更新には特にサーバー更改に高額のコストがかかるため、ASP型のテレビ会議サービス提供者に相談して実機を使ったトライアルを行ったところ、問題なくすべての拠点が接続できて通話の品質にも問題がありませんでした。

 

トライアルの成功を受けて製薬メーカーは既存のSI型をそのままリプレイスするのではなく、一部をそのまま利用、一部機能をASP型に置き換えることで設備投資費用を最小化することに成功したのです。

 

この例は設備投資費用を削減するため、既存のSI型設備と、ASP型をハイブリッドで利用するという良例です。固定資産を増やしたくない、まとまった投資が難しいなどの理由から上記の選択をする企業は珍しくありません。

 

SI型を使っている企業の場合、設備の老朽化に伴い更新費用を捻出して使い続けるか、全く新しいシステムを導入するか選択する時がやってきます。取引先との付き合いが長ければ長いほど変化を嫌う雰囲気が強くなり、現状踏襲する判断を下してしまいがちですが、簡単にデモやトライアルができるASP型は「短期間のお試し」にも最適です。

 

問題なく安定的に稼働している間は気付きませんが、いつの間にか慣れたやり方が非効率になっているケースはあるものです。

 

リプレイスの場合は既存のやり方が今後の事業にふさわしいか、改めて検討すべきだと言えますし、新規導入を含めてイニシャルコストのかからないシステムで試験運用することも選択肢に入れるとよいでしょう。

 

SI型とASP型、さまざまなメリットとデメリットがありますので、十分に検討してぜひコミュニケーション基盤の導入を成功させてください。

この記事の執筆監修者情報

監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社

NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。

その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして、Communication&Collaboration SolutionsとData Center Integrated Solutionsという新たな事業領域のビジネスを展開しています。

所在地:〒112-0002

東京都文京区小石川1丁目4番1号 住友不動産後楽園ビル

会社概要:https://www.nttbiz.com/company/outline/

 

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