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コーデックとは?語源から定義をはっきりさせて疑問を解消しよう

コーデックという技術用語をご存じですか?何故か動画が再生できなかったりメールの文章が文字化けしたりするのはコーデックに原因があるケースが多いのです。

しかしコーデックが何か知らなければ対処法も分かりません。そこで基本的な知識を解説します。

 

 

 目次
1.コーデックとは?先ずは定義を確認
2.コーデックの歴史と進化
3.動画コーデックと音声コーデックとは?
4.エンコードとデコードとは?
5.主なコーデックの種類とおすすめは?
6.動画形式(コンテナ)の代表的な種類とコーデックの組み合わせ
7.コーデックエラーの確認方法と対処法
8.動画が再生できなかった時の対処法
9.テレビ会議やWeb会議に使うコーデックの種類

 

1.コーデックとは?先ずは定義を確認

コーデック (Codec) は使う人によって捉え方に差がある技術用語です。定義を明確化するには、語源から把握する必要があります。

 

コーデックは電気通信の技術分野のCompression(コンプレッション:圧縮)/DECompression(デコンプレッション:伸長)をするものを意味するcoder/decoder(コーダー/デコーダー)の略語を語源としており、単にコーデックと言った場合は下記の意味を含んでいます。

 

・アナログデータをデジタルデータに圧縮・伸長(圧縮・展開)すること

・アナログデータをデジタルデータに圧縮・伸長(圧縮・展開)する装置

・アナログデータをデジタルデータに圧縮・伸長(圧縮・展開)するソフトウェア

・アナログデータをデジタルデータに圧縮・伸長(圧縮・展開)するアルゴリズム

・音声や映像、テキストのデータを圧縮・伸長(圧縮・展開)すること

・音声や映像、テキストのデータを圧縮・伸長(圧縮・展開)するソフトウェア

・音声や映像、テキストのデータを圧縮・伸長(圧縮・展開)する装置

・音声や映像、テキストのデータを圧縮・伸長(圧縮・展開)するアルゴリズム

 

上記のすべてに共通しているのはデータの圧縮と伸長を行うという点ですが、装置として存在するコーデックをハードウェアコーデック、ソフトウェアとしてのコーデックをソフトコーデックとして更に分類出来ます。

 

ただし2020年時点において単にコーデックといった場合、音声や映像、テキストのデータを圧縮・伸長するソフトウェアを意味しています。そのため実務的な解説をする場合、コーデックを音声・映像データの圧縮と伸長をするソフトウェアとして定義を狭めて紹介するケースも多いです。

 

誰もがごく当たり前にデータ通信をし、撮影した動画や音楽を楽しめるのはコーデックという技術あっての事ですが、もはや利用者が意識しない位に浸透しきっています。

 

2.コーデックの歴史と進化

 

コーデックはITの発展と共に進歩してきたので、時代によって言葉の意味するところが変化しています。

 

1980年代にコーデックと言えば、プログラムではなくデータ圧縮・変換用の電子回路であり、集積化されたICチップでした。まさに「目で見て手に触れる」モノだったのです。これをハードウェアコーデックと呼びます。

 

その主な用途はデジタルデータをアナログデータにしてISDN回線で送信したりFAXの送信に使われたりと、モデムと合わせてデータ通信に使われていたのです。

 

しかし1990年代になるとIT技術の発展により、電子回路(ICチップ)としてのハードウェアコーデックは数を減らします。ソフトウェアとして使えるコーデックをソフトコーデックと呼んで1980年代の変換装置としてのコーデックとは分けるようになりました。

 

現在(2020年)においてはそのほとんどが特別なICチップ不要のソフトウェアとしてパソコン上で扱えるようになりました。今日ではソフトウェアコーデックという呼び名は廃れて単にコーデックと呼ばれています。

 

装置としてのコーデックから、必要に応じてダウンロードして使うソフトウェアになったのです。

 

3.動画コーデックと音声コーデックとは?

 

コーデックはハードウェアとソフトウェアに分けられますが、さらに動画コーデックと音声コーデックに分けられます。

 

動画コーデックは動画を圧縮・伸長するコーデックで、音声も同様です。

 

それぞれのコーデックは何種類もあり、データの圧縮率や画質、音質に違いがあります。ただし、技術進歩によって次々と新しいものが登場するので、メインに使われるものは比較的限られています。

 

 

4.エンコードとデコードとは?

 

エンコード(encode)とは符号化の事です。符号化とは人間が理解できる音声や映像といったアナログデータをコンピュータが理解できるデータ形式に変更することです。エンコードされた動画や音声データは人間にとって意味があるものとして理解できません。

 

エンコードに対してデコード(decode)は復号と呼ばれ、変換しデータを元に戻して人間が閲覧出来る状態に変換する事です。例えば撮影した動画はエンコードされた上でコンピュータに保存され、デコードされることで閲覧可能になります。

 

5.主なコーデックの種類とおすすめは?

 

コーデックには何種類もの動画コーデックや音声コーデックがありますが、広く使われているコーデックは限られています。

 

動画コーデックとして現在最も多く使われているのがH.264/MPEG-4 AVCです。YouTubeやニコニコ動画といった大規模動画サイトで使われており、現在(2020年1月)におけるメインストリームだと言えます。大規模動画サイトで使われるだけあって低ビットレートでも画質が良いのが特徴です。

 

音声コーデックはMP3が代表だと言えるでしょう。大抵の音楽ファイルはMP3でやり取りされており、互換性の面でおすすめです。

 

6.動画形式(コンテナ)の代表的な種類とコーデックの組み合わせ

 

動画形式はコンテナ、あるいはコンテナフォーマットと呼ばれ、主にファイルの拡張子で識別できます。

 

動画ファイルをとってみても、MP4やAVI、MOVと言った具合に複数あり、それぞれ〇〇.mp4や〇〇.avi、〇〇.movといった具合に拡張子で区別されます。ちなみにiPhoneで撮影した動画はMOVファイルとして保存されているので、気になる方はスマホの動画をチェックしてみましょう。

 

そしてややこしくなるのは動画形式(拡張子)とコーデックが完全に一致しているわけではないという点です。コーデックはあくまでもデータの圧縮・伸長のソフトウェアであり、動画そのものではないからです。

 

動画形式はあくまでも動画と音声データのコンテナ(入れ物)であり、何を入れられるのかそれぞれに違います。

 

代表的な動画形式としてMP4を例にとると、〇〇.mp4の動画ファイルはPEG-1、MPEG-2、MPEG-4 Visual (MPEG-4 Part 2)、H.264/MPEG-4 AVC (MPEG-4 Part 10)、H.265 (H.265/HEVC)、AV1の動画コーデックとAAC、HE-AAC、MP3、MP2、MP1、MPEG-4 ALS、TwinVQ、CELPの音声コーデックを用いたデータが収納できます。

 

このように動画形式はファイルのプロパティや拡張子で判別できますが、コーデックとは違うので注意してください。

 

7.コーデックエラーの確認方法と対処法

 

コーデックエラーとは動画や音声の復号が上手くできない状態の事です。例えばWindows Media Playerは下記の公式サイトの記載の通りMP4ファイルを再生できます。

 

Windows Media Player でサポートされているファイルの種類|Microsoft.comへ移動

 

サポートされているにも関わらず、MP4のファイル(〇〇.mp4の拡張子を持つファイル)を再生したら音が出ない、もしくは映像が真っ暗になるといった状態がコーデックエラーの代表例です。

 

これは動画形式とコーデックの組み合わせが原因です。

 

動画形式は複数のコーデックを格納するコンテナですが、コーデックの組み合わせは複数あります。同じMP4ファイルであっても動画コーデックと音声コーデックの組み合わせによって内部的には全く違うコーデックが格納されています。

 

例えば動画コーデックH.264/MPEG-4 AVCと音声コーデックMPEG-4 ALSの組み合わせのMP4ファイルや動画コーデックMPEG-4と音声コーデックAACの組み合わせのMP4ファイルなど、無数のコーデックの組み合わせが想定できます。

 

データを復元するデコードにはエンコードに使ったものと同じコーデックが必要です。つまりプレイヤーの動画形式が対応していても内部的には不足しているコーデックがあるからコーデックエラーが発生するのです。

 

不足しているコーデックを特定するには「コーデックチェッカー」を使います。検索すればウェブブラウザー上で使えますし、無料ソフトにもあります。

 

コーデックチェッカーで不足しているコーデックを見つけたら、対応しているプレイヤーにコーデックをインストールします。

 

プレイヤーの種類によってやり方は異なりますが、例に上げたWindows Media Playerなら「コーデックパック」という形でダウンロード出来ます。個別事項についての詳しいやり方は下記の公式サイトをご覧ください。

 

コーデック: よく寄せられる質問|Microsoft.comへ移動

 

以上がコーデックエラーの確認と対処方法になります。

 

もっともWindows Media PlayerやQuicktTme Playerといった既存のプレイヤーには最初から数百のコーデックがインストールされているので、大抵の場合はコンテナであるファイル形式さえ合っていれば再生可能です。

 

コーデックエラーが起きた場合は不足しているコーデックの特定とインストールをするより下記の対処をした方が早いかもしれません。

 

8.動画が再生できなかった時の対処法

 

原因の違いに関わらず動画が再生できない時に最初に確認すべきはプレイヤー自体が動画形式をフォローしているか、という点です。

 

これは自分の使っているプレイヤーのスペックを調べればよいので簡単に確認できます。この時点で最初からファイル形式をフォローしていないのが判明したのなら、別のプレイヤーを使うか、ファイル自体をプレイヤーが読み込めるファイル形式に変換してください。

 

例えばMP4ファイルは読み込めてもAVIファイルは読めないプレイヤーがあったとしたら、MP4ファイルをAVIファイルに変換してしまえば、プレイヤーを変えずに再生できるようになるのです。

 

動画プレイヤーは有料・無料を問わずフリーソフトで対応可能ですし、ファイルの変換は「ファイルコンバーター」という名称でウェブ上、またはフリーソフトで入手可能です。

 

【無料】動画変換のソフト一覧 - 窓の杜

 

コーデックを特定し、提供サイトから入手してインストールするよりも、プレイヤー自体を変更するか、動画形式を変換してしまったほうが早いケースがあるので、状況に応じて柔軟に選択してください。

 

9.テレビ会議やWeb会議に使うコーデックの種類

 

最後にリアルタイムな動画・音声のやり取りをするソフトウェアに必要なコーデックについて紹介しますが、いわゆるテレビ会議やWeb会議の機能を持つソフトウェアは一つだけではありません。いくつもの会社がしのぎを削ってシェアを争っています。

 

無料で使える有名なソフト(必要に応じて有料プランあり)としてはSkypeやChatwork、Zoom、Slackなどがありますが、それぞれに独自のコーデックを開発しているため動画プレイヤーのように既存のオープンソースのコーデックを主体として動いているものは稀でしょう。

 

例えばSkypeはSILKやiSAC、iLBCというコーデックを使っています。iSAC、iLBCは電話より広い音声の周波数帯をカバーすることで高品質な通話ができるようになっています。SILKに関しては2009年に無料ライセンス化して誰でも使えるようにしていますが、これはIP電話サービスという業界全体の拡大のために必要だと判断されたためです。

 

Skypeが最新音声CodecのSILKを無償公開

 

オンラインでのリアルタイム映像処理と音声処理が伴うWeb会議は、データを出来るだけ軽くし、拾える音声の周波数を広くするなど技術の塊です。基本的にはライバルに自社開発のコーデックを公開する事はありませんし、サービス利用者が内部の詳細な仕組みを知る事も出来ません。従って何らかのコーデックを追加することでSkypeからZoomにアクセスするといった具合に異なるサービス間の通話は不可能です。

 

またビデオ会議自体には国際電気通信連合(ITU)が定めるITU H.320、H.323、H.324という規格はありますが、事前に利用者側でコーデックを準備する必要はありません。

 

テレビ会議はシステムの提供企業がすべてパッケージとして提供してくれるからです。

 

動画プレイヤーとは異なり、テレビ会議やSkypeやChatworkといったWeb会議ではコーデックが原因のトラブルはまず起きないので、特に気にする事はないでしょう。必要に応じてソフトウェアのアップデートをすれば問題なく使えるはずです。

 

※Microsoft、Windows Media、Skypeは米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

※QuickTimeは、米国およびその他の国々で登録されたApple Computer Inc.の商標です。

※Slackは、Slack Technologies, Inc.のの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

※Zoomは、Zoom Video Communications, Inc.の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

※Chatwork はChatwork株式会社の登録商標または商標です。

 

 

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この記事の執筆監修者情報

監修者:エヌ・ティ・ティ・ビズリンク株式会社

NTTビズリンクは、企業向けデータセンターサービスを提供する会社として2001年7月にスタートしました。

その後テレビ会議多地点接続サービス事業などの統合により、お客さまのクラウド・アウトソーシングニーズに応える為に、統合的なICTアウトソーシングビジネスを展開してまいりました。 現在、設立以来培ってきたデータセンターサービスとテレビ会議サービスの運用力を強みとして、Communication&Collaboration SolutionsとData Center Integrated Solutionsという新たな事業領域のビジネスを展開しています。

所在地:〒112-0002

東京都文京区小石川1丁目4番1号 住友不動産後楽園ビル

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