「営業支援を行うSFA(Sales Force Automation)や顧客関係管理を行うCRM(Customer Relationship Management)など、他部門のシステムと連携させたい」
「現状の応答率を改善したい」
「業務効率を改善しつつ、顧客満足度を向上していきたい」
このような理由から、コールセンターに導入しているCTI(Computer Telephony Integration)のリプレイスを検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一方で、実際にCTIのリプレイスを行った企業においては、現場担当者から「リプレイス前との違いがあまり感じられない」「期待していた効果が得られていない」といった状況がしばしば見受けられます。
本コラムでは、こうした状況を未然に防ぐための、CTIのリプレイスにあたって考慮すべきポイントについて詳しく解説していきます。
CTIのリプレイスを検討する上で、最初にすべきは「課題の洗い出し」
CTIのリプレイスがうまくいかなかったというコールセンターについて見ると、選定したCTIの機能と課題がミスマッチしているケースが少なくありません。
その原因としては、リプレイスするCTIの選定時に、自社のコールセンターの課題を十分に把握できていないことが挙げられます。特に、目の前で発生している状況にばかり着目し、潜在的な課題を見逃してしまうと、CTIのリプレイスによる効果は期待できません。
そこでまず、選定時のコールセンターの状況を踏まえ、潜在的な課題を明確化した上で、CTIに求める機能をピックアップして優先順位を付けていくことが重要です。
ここからは、コールセンターにおける代表的な課題と、それらを解消するために有効なCTIの機能について解説していきます。
「応答率」が低いケース
自社のコールセンターの応答率が低い場合、「オペレーターの業務が非効率化している」ことが潜在的な課題となっているケースが多いです。
このようなケースでは、自動の音声案内によって問い合わせ内容に応じて適切なオペレーターにつなぐことができるIVR(Interactive Voice Response)機能や、着信を均等に配分してオペレーター業務を均一化することができるACD(Automatic Call Distribution)機能はもちろんのこと、待ち呼数や待ち時間を表示する機能や、顧客に文字データを送付してFAQサイトに誘導できるSMS(Short Message Service)機能が搭載されたCTIがおすすめです。
また、テキストによる自動応答を実現するチャットボットを同時導入することもおすすめです。問い合わせ窓口が増えることで、コールセンターへの受電数が削減できます。
同様に、「コールセンターの人員不足」が潜在的な課題の場合には、チャット専門のオペレーターによる有人チャットをCTIと併用する方法もあります。チャット対応は、電話対応よりも精神的な負担が少なくすむことから、オペレーターの応募にもつながりやすいためです。
「顧客の満足度」が低下しているケース
顧客の満足度が低下している場合、「お客さまの待ち時間が長くなっている」「オペレーターの応対が十分な品質に達していない」といった潜在的な課題が見受けられます。
このようなケースでは、前述したようなIVRやACD機能の搭載に加え、オペレーターの
対応をチェックできるモニタリング機能や、ささやき機能、管理者・オペレーター・顧客間の3者通話機能などの活用が有効です。
こうした機能を活用することで、管理者がオペレーターにアドバイスや指示をリアルタイムに送ることが可能になり、現場における応対の品質を向上させることができます。
また、クラウドCTIによる全通話録音により、お客さま応対後のトラブルが発生した際に用いられるほか、オペレーターの応対を分析することにも有効です。さらに、音声テキスト化機能を活用することで、より効率的なオペレーターの教育に役立てることができます。
機能を絞ることも大事
CTIの中には、さまざまな規模や業務内容に対応できるよう、多くの機能を搭載したものもあります。
ただし、CTIは搭載する機能数に比例してコストも高くなる傾向にあります。そのため、リプレイスにあたってできるだけコストを抑えるためには、コールセンターの規模や業務内容に必要な最低限の機能に絞り込むことも重要です。
機能の他に考慮すべきポイント
ここではCTIの選定時、機能面以外に考慮しておきたい3つのポイントを解説していきます。
ポイント1 馴染みやすいUIか
CTIに限らず、新しいシステムを導入する際にはオペレーターへの操作説明や研修の時間を設ける必要があります。また、操作方法を習得してスムーズに操作できるようになるまでには、さらに一定の時間を要します。
そのため、できるだけスムーズに導入・運用できるよう、CTIは見た目にわかりやすく、使いやすいなど、馴染みやすいUI(ユーザーインターフェイス)も重要なポイントと言えます。
しかし、実際に使用してみないことにはオペレーターが馴染みやすいUIかどうか判断することは難しいです。こうしたケースを回避するためにも、トライアル期間を有効活用して、オペレーターに試用してもらいつつ、使いやすさをチェックしておきましょう。
ポイント2 拡張性が高いか
コールセンターをより円滑に運営するために、CRMやSFA、MA※、音声認識AIといった他のシステムと併用しているケースも見受けられます。また、現状では未導入であったとしても、コールセンターの規模や業務内容に変更が生じるなどして、新たにシステムを導入する可能性も考えられます。
しかし、CTIによってはシステムと連携できないケースや、連携できても一部の機能しか利用できないケースもあるため、注意が必要です。
こうしたケースを回避するためにも、選定候補に挙がっているCTIがどのシステムと連携できるか、後から連携させることができるか、その際にコストはどのくらいかかるのかなどを事前にベンダーに確認しておくことが重要です。
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ポイント3 ベンダーのサポート体制
CTIは導入して終わりではなく、運用する中でトラブルが発生するおそれもあります。そこで、機能面やコスト面、性能面だけでなく、導入後のサポートが手厚く受けられるベンダーをパートナーにすることをおすすめします。
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NTTビズリンクでは、コールセンターの運営にまつわる課題の解消に向けて多彩な機能を搭載したクラウド型CTIやチャットボット、有人チャットサービスをご提供しています。
各サービスにはトライアル期間もご用意しておりますので、現状のコールセンター・コンタクトセンター運営でお悩みを抱えている方や、CTIのリプレイスをご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください