決してトラブルがなかったわけではありません。たとえば、配信の肝となる通信回線は、直前になって弱い部分があることが判明しました。
「自社スタジオがあるフロアには、多数の社員がいるオフィスがあります。そのため、Wi-Fiのネットワーク帯域に負荷がかかっていると考えていました。ところが、NTTビズリンクさんにチェックいただいたところ、映像よりも音声が乱れていました。通常、映像から影響を受けるので、非常にイレギュラーな状態と言えます」(阿部氏)
イレギュラーなインシデントゆえに、既存の通信回線を信頼するのは無理があります。そこでNTTビズリンクは急遽ボンディングルーター
(※)を活用。失敗や遅延が許されないため、いくら複数を束ねていてもモバイル回線には不安も感じるところですが、同様の経験を何度もしているNTTビズリンクは、ノートラブルという結果を出します。
「当日の午前中、リハーサルを終えてから資料の修正が必要になったときも、ICJさんにもNTTビズリンクさんにお手伝いをいただきました。両社とも臨機応変にいろいろな対応をしてくださって、本当に助かりました。NTTビズリンクさんで特に印象に残っているのは、議決権の集計待機中に用意していた動画の差し替えが急遽必要になったとき、動画編集からPowerPointへの埋め込みまでフレキシブルに対応してくださったことです。たった2人の事務局でも、アクシデントを起こすことなく、映像や音声の乱れもなく初めてのバーチャルオンリー型株式総会を成功させることができたのは、プラットフォーム以外の面でもきめ細かくフォローいただいたおかげです」(亀沢氏)
※ボンディングとは、複数のモバイル回線を束ねてモバイルでも安定した回線を構築できる技術。通信速度が高速化でき、信頼性の高い配信システムが構築できます。