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北日本電線株式会社様(スマートグラスクラウド)

技術伝承と人財育成だけでなく、DX推進の契機にも

クリアな映像と音声で、工場とのコミュニケーションもスムーズになる

「スマートグラスクラウド」


北日本電線株式会社

電線事業本部 製造部部長 佐貝 智章 様(写真右から3番目)

電線事業本部 製造部 製造グループ
チーム統括リーダー 小倉 康弘 様(写真右から2番目)

工務部 保全グループ 主任 平間 直徳 様(写真一番右)


【事業概要】

北日本電線株式会社は東北電力グループの一員として、電力会社向けの配電線、送電線の製造販売を通じ、快適な暮らしを支えてきました。
「社会の繁栄に貢献する価値の創造」という経営理念のもと、地域や人々をつなぐ企業として新たな価値創造へ積極的に挑戦。
電線付属品や省力化機器の開発、融雪装置、光通信に関わる部品の製造など、電線以外の事業にも力を注いでいます。

暮らしに欠かせない電気を供給する電線。その耐用年数は20~30年と非常に長く、高い技術に支えられていることがわかります。一方で電線を製造する現場では、これまで現場のリーダーであったベテラン社員層の退職により、従来のようなマンツーマンのOJTが困難になってきました。そこで、映像・音声の双方向コミュニケーションを実現する「スマートグラスクラウド」をトライアル導入したのが北日本電線様です。技術伝承と人財育成のみならず、DXの本格推進のヒントにもつながった取り組みをご紹介します。


【事例のポイント】

・精緻な映像に加え、騒音環境でもハンズフリーでクリアな音声コミュニケーションが実現。技術伝承・人材育成のみならず業務自体の効率化

・「遠隔点検」の実現で、移動コスト削減および人員体制のスリム化の可能性が広がった

・DXを本格的に推進するうえでの課題が明確化

【課題】


●ベテラン社員の退職により、従来のようなマンツーマンのOJTの維持が難しくなる中で、効率的な人財育成を模索していた

●世代交代が進む中で、円滑な技術伝承が急務だった。

●設備点検のため、距離のある事業所間の移動に時間がかかっていたほか、人員確保も負担となっていた



【効果】


●映像アーカイブを人財育成や技術継承に役立てられる目途が立った

●発設備の定期点検を遠隔でも行うことで、人員配置を最適化でき、次世代型点検システムの構想が進んだ

●作業の様子を高画質で録画できるようになることで、指導者と作業者の振り返りや改善点の確認、指導が容易になった

●別目的で導入した「AVATOUR」との併用など、人財育成での活用で新たなアイデアが出てきた

●今後取り組むべきDX推進に向け、ICTインフラの不足点を具体的に把握することができた


映像コミュニケーションツールを活用したOJTで、効率的な技術伝承を

●ベテラン技術者の退職により、マンツーマンでの次世代への技術伝承が難しくなってきた
●技術伝承および人財育成を効率的に進めるため、映像コミュニケーションツールを活用したOJTを検討し、スマートグラスクラウドのトライアル導入を決定


少子高齢化は、企業経営の持続可能性を阻害しようとしています。人口のボリュームゾーンを形成している「団塊の世代」は、2025年に全員が75歳以上となるため、すでに多くが現場をリタイヤしている状況です。暮らしを支える電線を80年近く製造してきた北日本電線様にも、この問題は大きな影を落としているようです。電線事業本部 製造部部長の佐貝智章氏は次のように話します。
このところ、顧客要求による業務の細分化や法令順守により、作業量は従来と比較しても増加傾向となっています。しかも、人材教育ができるベテラン層がどんどんいなくなっていきますので、限られた人数で効率的に教育と業務を両立させていく必要があります。そのためには現場のDXを進めるのが急務だと感じていました。(佐貝氏)
北日本電線様が手がける電線の製造や配電設備の保全・管理は、まさに暮らしと直結するインフラ。過酷な自然環境に耐え、安定した電力供給を支えるのは高い技術力です。それゆえに、どうしても業務が属人化してしまう傾向にありました。設備保全を担当する工務部 保全グループ 主任の平間直徳氏は、次のように説明します。
特に工務部の業務は専門性が高く、一人前の技術者となるのに5~10年はかかるといわれてきました。ベテラン技術者がマンツーマンで教えられればいいのですが、彼らにも業務があります。その業務も、例えば設備点検は、距離の離れた事業所間を移動する必要があり、移動時間だけで往復1時間半、実作業も入れると丸1日かかってしまいます。(平間氏)
教育に力を入れたくても、設備点検を担うことのできるベテラン技術者が限られているため、そうはいかないというわけです。また、ベテラン技術者を設備点検だけに振り向けると、今後他の業務が回らなくなってしまうおそれもあります。

技術伝承および人財教育だけでなく、業務効率化を図るうえでも、デジタル技術の活用が求められる状況にありました。その中でも、映像コミュニケーションツールが有効だと考えましたので、『映像コミュニケーションのトータルコーディネーター』であるNTTビズリンクが提供する「スマートグラスクラウド」をトライアル導入しようということになったのです。(佐貝氏)

「電話」から「映像」への進化で、情報連携の精度が向上し属人化も解消

●現場との情報連携は電話のみだったが、映像に変わったことで高精度に
●骨伝導ヘッドホン活用によるクリアな音声コミュニケーションが可能になり、ハンズフリーで安全性の高い現場作業が実現
●映像アーカイブの活用で技術伝承に加え、業務の属人化解消にも期待


「スマートグラスクラウド」は、現場を中心とした映像・音声の双方向コミュニケーションを実現するソリューションです。スマートフォンやタブレット、PCなどさまざまなデバイスで利用できます。この効果がすぐに現れたのは、工務部での保全業務でした。
例えば、高い電圧を施設で使える電圧へ変換する機器を収めたキュービクルという設備などの点検もその1つです。キュービクルで漏電などの事故が発生すると、配電線を通して近隣施設や社会インフラまで停電が広がるおそれがありますので、保安点検は法令で義務付けられています。


当然、メンテナンスが必要なときは迅速な対応が求められますが、従来は情報の連携が非常に困難でした。コミュニケーション手段が電話しかないので、状況を的確に伝えるのがまず簡単ではないのです。しかも、現場は通話に適した環境とは限りません。大きな機械が動いていると、どうしても聞き取りにくくなります。


「スマートグラスクラウド」は動画ですから、リアルタイムでより正確な情報伝達ができます。また、骨伝導のヘッドホンをNTTビズリンクが用意してくれたのですが、これが非常に良かったですね。ノイズキャンセリング機能がついているため驚くほど音声がクリアで、コミュニケーションが格段にとりやすくなりました。(平間氏)

設備保全業務は移動を伴いますが、カメラにブレ防止機能がついているためオフィスで映像をチェックする側も快適だったといいます。平間氏によると、メンテナンス時は電話の着信がかなりの件数になり、やりとりが増え、どうしても片手作業を強いられていたそうです。そうした課題に対して、「スマートグラスクラウド」がハンズフリーを実現し、現場作業の安全性を高めることにもつながりました。

もちろん、当初の目的どおり、技術伝承および人財育成にも効果を発揮。リアルタイムの映像コミュニケーションだけでなく、映像アーカイブの活用も視野に入れるなど、教育プログラムの濃度や中身のアイデアを広げるきっかけにもなったようです。

マンツーマンでのOJTはもちろん良いのですが、それがベストとはいえません。万一、偏った内容が伝わる可能性もあるでしょう。教育側が2人、3人いれば的確かつ多面的な指導ができるでしょうし、教育側にとっても新たな気づきが生まれると思います。そうした相乗効果が出てくることで、業務全体の質も上がっていくのではと期待しています。
伊勢神宮の式年遷宮が20年に一度行われるのは、技術伝承の意味合いが強いといわれますが、私たちの肌感覚としてもやはり技術伝承のサイクルは20年が限界。OJTに頼り切らない伝達手段として、映像アーカイブの活用ができる「スマートグラスクラウド」への期待は大きいですね。(佐貝氏)

実際、工務部では、人員配置の最適化や次世代点検システムとも呼べる構想も浮かび始めていると平間氏は話します。

現在、各事業所に『代務者』を任命し配置していますが、映像アーカイブを通じて危険なポイントや測定する際の要チェック部分を伝えるのに役立てたいですね。そうすれば、ベテラン技術者が全ての事業所を回る必要がなくなって属人化の解消にもなります。また、ベテランがマネジメントに専念できれば、より効率的かつ質の高い業務も実現するでしょう。ゆくゆくは、本社に管制センターのような機能を設け、リアルタイムで各事業所や設備のモニタリングをすることも可能ではないかと考えています。(平間氏)
写真は、工務部様の設備保全業務においてのスマートグラスクラウド活用シーン。
現場業務の安全性を高めながらリアルタイムの映像・音声コミュニケーションを実現し、人材教育や次世代の点検業務への構想に繋がった。

ICTインフラの課題を浮き彫りにするなど、現場DXの推進力に

●「新たなソリューション」に対する現場の抵抗感は少なく、利便性がすぐに浸透
●現場から自律的に活用法が生まれ、活性化のきっかけに
●Wi-Fi環境などICTインフラの課題が明らかになり、DX推進の起爆剤へ


こうした新たなソリューションは、現場でスムーズに受け入れられるかが肝となりますが、「ガラケーからスマホに変わったような感覚だった」と電線事業本部 製造部 製造グループ チーム統括リーダーの小倉康弘氏は振り返ります。

どうしても最初は、使ったことがないものに対する戸惑いのようなものはあったと思います。
しかし、ガラケーからスマホに変わったときのようなもので、わりとすぐに慣れたのではないでしょうか。
スマホのように、“慣れてしまえば手放せない”という感じだと思います。(小倉氏)
便利さに気づくと、活用法も自律的に生み出されるようになるもの。製造部では、「もっと俯瞰(ふかん)的に見られるとさらに効果的な人財育成ができるはず」といった声が現場からあがってきたそうです。
写真は、製造部様のスマートグラスクラウド活用シーン。すぐに利便性に気づき、現場でのより良い活用を見いだせた

同時期に、事業戦略グループがNTTビズリンクから360度のライブ映像を配信できる「AVATOUR」というソリューションをトライアル導入していました。遠方の取引先などからの工場見学のニーズが増えていることを受けてのものでしたが、「スマートグラスクラウド」と組み合わせて活用することで、より臨場感のある映像コミュニケーションが実現すると期待しています。(小倉氏)

また、新たなデジタルソリューションを実地で試すことで、机上の計画では気づきにくい課題も浮き彫りになりました。大きかったのは、DXを推進するうえで欠かせないICTインフラの問題です。

電波は金属に反射する性質があるため、工場内はそもそもWi-Fi環境が脆弱でした。実際にスマートグラスクラウド」を活用すると、予想以上に通信を阻害することがわかったのです。今後、企業として生き残るためにはDXの推進が不可欠ですから、具体的にどんなICTインフラを整備しなければならないか見えたのは大きな収穫でした。(佐貝氏)

技術伝承に人財育成、業務の属人化の解消に効率化の促進と、製造現場が抱える課題は多岐にわたります。「スマートグラスクラウド」がそれらの解決の糸口となり、さらなる有効な施策に結びつくハブの役割も果たしていることを、北日本電線様の取り組みは示しているといえそうです。
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